
ドラム独学の手引き(第5回)
ドラムはチェンジアップと両手両足のコンビネーションで成り立っていると言ってもいい。
特にチェンジアップはリズム感を養うだけでなく、フィルインやドラムソロなどのテクニックを身に着けることができるトレーニングだ。
どれだけやっても終わりの見えないトレーニングでもある。
3連符のオルタネートコンビネーションと1拍3連を加えたチェンジアップ
まだ第5回目というのにこのトレーニングは早いと感じる人もいるだろう。
しかしこれまで4分音符と8分音符、16分音符が入ったチェンジアップを15時間以上やっていたら次の目標を定めたいと思う頃だ。
1拍3連をオルタネートで叩くトレーニング
前回は3連系のリズムをやったが、そのトレーニングは右手だけで3連符を連打するトレーニングだった。
今回はオルタネート(交互)で3連符を連打するトレーニングだ。

これが出来なければチェンジアップに進むことができない。
右手と左手を交互に叩いて1拍3連を演奏する奏法だ。
BPM 60で始めるが、メトロノームのクリック音とシンクロさせるために1拍目の頭の音にはアクセントを付ける。
アクセントは1拍ごとに右と左に移ることになるから初心者にとっての難易度は高い。
最終的にはアクセントを外してタップでタイトに演奏できることが目標ではあるが、当分はアクセント付きのトレーニングを推奨する。
このトレーニングの第一段階の目安は5時間だ。
とりあえず体で理解するという目安だが、もちろんこの時間で習得出来るというものではない。
理解して次へ進むためのトレーニング時間目安なので、自己判断をしてまだだと思えば更に時間を増やし一応理解出来たと思えば次へ進むことにする。
最初から理解が難しいならメトロノームのクリック音に合わせて「コトリ、コトリ、コトリ、コトリ」や「パイン、パイン、パイン、パイン」のように3文字の言葉を口ずさみながらやってみると理解が容易になる。
8分音符と1拍3連のオルタネートチェンジアップ
4/4の小節なら1小節の中に8分音符は8個だ。
同じ4/4小節に1拍3連を入れると12個入る。

ドラムだけではなく、楽器を覚える者にとって最初の難関がこの2つが同居する演奏だと言っても過言ではない。
リズムで言うと前回説明した跳ねないリズムと、跳ねるリズムという全く違うリズムが同居しているようだものだ。
そのくらいこの二つの音の数には違いがある。
小節ごとにこの音の数を行き来することによって慣れるトレーニングがチェンジアップだ。
通常は充分なトレーニングボリュームを必要とするが、今のところは先ず理解するという段階を目標にする。
先ずBPM 60で2小節単位で切り替えるトレーニングをやる。
そのための時間は15時間だ。
メトロノームのクリック音と同じ位置にアクセントを入れるのも忘れてはならない。
4分、8分、1拍3連、16分のチェンジアップ
次にやるのが4分と16分を加えたチェンジアップトレーニングだ。
8分と1拍3連だけのチェンジアップを先にやったのもこのトレーニングの理解を早める目的があったからだ。

人間はゆっくり叩かなければと思うとリズムはゆっくりになりすぎ、早く叩かなければと思うと早くなりすぎるという感覚に陥る。
初心者ほどこのトラップに陥りやすいのはチェンジアップトレーニングが出来ていない証しだ。
そのためメトロノームを使わずにこれをやると、16分に近付くほど早くなるというのが一般的な感覚だ。
チェンジアップと両手のコンビネーションは同時にトレーニングすることができる。
この場合も右手から始まる1拍3連と左手から始まる1拍3連のコンビネーショントレーニングが含まれている。
このトレーニングも BPM 60で、理解するための目安は15時間だ。
もちろんチェンジアップに終わりはない。
従ってこのようなチェンジアップトレーニングをウォーミングアップに使うことが推奨される。
スポーツのウォーミングアップと同じように筋肉を柔軟にし、体温を上げて関節の動きを良くするだけでなく、ドラムに適した脳にすることができる。
#ドラムの独学 #ドラムのトレーニング #楽器趣味 #ドラム演奏 #定年退職 #音楽の趣味