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【雑記】泳ぐ空と夢

空に大きな背びれが生えて、泳いで回っている。昼、夜、昼、夜と回っている。泳ぎはどんどんと速くなり、毎日が加速している。何をそんなに急いでいるのか。空にはもう、景色を楽しむ余裕も無いのだろう。そうやって空は急くから、もう宇宙に想いを馳せるかな。

自分は宇宙の一部だ。そして宇宙も自分の一部だ。泳ぎ回る空もまた自分の一部だ。夢はどうだ。「夢だって脳が作るんだろ」なんて声がしたか?「脳はお前なのか」と答えてやる。脳は勝手に動いて、勝手に宇宙を作ってる。脳は自分の一部だし、自分は脳の一部だ。だから、別物だ。宇宙と自分が別なのと同じだ。そういう意味では夢と宇宙は区分がつかない。どちらも脳が作って自分が動かされている。

こんな難しく考えなくても、思い出と夢の記憶はだいたい区分がつかない。夢の中で生まれた思い出と、昔見た夢の記憶なんて、もうほぼ同じだ。空の泳ぎが加速してから尚更何がなんだかわからない。景色も見えない。夢だけがゆっくりだ。そのくせ、すぐにどっかいく。どこいったんだ?毎日生まれて、全部どこか消える。たまに思い出した記憶が夢の出来事だったりするから、本当は消えていない。空の豪快な泳ぎのうねりに飲み込まれて、消えて、ようやく水面に浮上する頃、次の空がまた勢いよく泳ぐから見えなくなる。適当に手探りで掴むと偶然変なのが引っかかる。これはもう偶然だから自分がどうこう出来るものじゃない。ゆっくり泳いでくれたらいいんだけど、この空はもうその気は無いらしいから、適当に手探りで偶然に身を任せるしかない。偶然の景色は身元不明だけど確かに記憶にあって、季節の変わり目に溢れ出る。匂いかな。匂いが拾ってくる。

本当はもう夢の記憶で溢れかえり、空が泳ぎを止めたら、水面はぐちゃぐちゃなのかもしれない。かき回してある程度底に沈めて、毎日なんとか少しだけ見えてるかもしれない。それでも毎日夢を見る。

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夢蒟蒻
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