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嘘にまみれる毎日

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毎日一つ嘘をつきます。誰も傷つけない嘘を。
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2019年1月の記事一覧

【嘘】欠伸買取

「欠伸、買います」と看板を出しているお店があった。
覗くと店主がカウンター内で眠そうに座っていた。

せっかくなので売ろうとしたが、ちっとも欠伸が出ない。必要に迫られると出ないものだ。

店主が眠そうに欠伸をした。
つられて欠伸が出たが、これは著作権的に売れないらしい。

【嘘】朝の数と夜の数

小学生の頃より毎日、朝と夜の数を数えている。
当然、一日にそれぞれ一つ加算されていく。
それを丁寧に。
数え漏れが無いように。

現在、夜の方が五つほど大きい数になっている。
五年に一度くらいの頻度で朝の無い日があるのだ。
毎日数えていないと気付かないだろうね。

【嘘】目指せ青天井

最寄りのコンビニの天井が、毎日少しずつ高くなっている。
今日見たら、もう塔のようになってた。
商品棚も高くて全然取れないから、かりんとうを食べたいのに仕方が無く黒糖飴を舐めている。
アルバイトの品出しが曲芸のようなので、もっと時給を上げるべきだと思った。

【嘘】星座管理人

とある山の頂上にある家には、様々な星と繋がるピアノ線が束ねられた装置がある。そこで星座管理人はピアノ線を操り、夜空を描いている。
家の中は星の動きにあわせてキラキラと輝き、ピアノ線の鳴る音は星々が奏でる音楽だ。

【嘘】空豆ではなく枝豆

空飛ぶ枝豆を追いかけていたら、森の中でメリーゴーランドを見つけた。
回る馬にはお地蔵様が乗っていて、先ほどの枝豆を持っていた。
楽しそうに笑っていたので、枝豆は諦める事にした。

帰り道は不思議と迷わずに家に着いた。

【嘘】こたつを囲んで

こたつを囲んで座るのは、耳が赤い象と、ちょび髭が可愛い向日葵と、偉そうなおにぎりと、緑色のモヤモヤしたなにか。

象はしきりにこたつが狭いと嘆いている。
向日葵は暖かくて眠そうだ。
おにぎりは象に対して、うるさいと怒っている。
モヤモヤしたなにかは、象に吸い込まれた。

象はくしゃみをした。
飛び出たモヤモヤしたなにかは、元の場所に戻る。
おにぎりはくしゃみをした象を怒っている。
向日葵はくしゃみ

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【嘘】ベタベタな手

自動販売機でペットボトルのコーラを買った。
すぐに開けたのがいけなかった。
勢いよく吹き出し、手がベタベタになってしまった。
残ったコーラもだいぶ減ってしまって、悲しい気持ちでいたら、吹き出したコーラが「助けてくれてありがとう」と言った。

今から飲むんだけどな。

【嘘】坊主頭

隣と、そのまた隣の席の子のひそひそ話が聞こえてくる。
多分、誰にも聞こえていないと思っているんだろうけど、皆に全部、聞こえているよ。

その子、マイクだよ。

【嘘】掲示

綺麗なまるが描けたから先生にみせたら、凄く誉められた。
嬉しかったので、帰ったら切り取って空に貼ろうと思う。

新しい先生はよく誉めるから、最近空が賑やかだ。

【嘘】立ち往生

朝と夜が喧嘩したせいで、昼が困ってるよ。
いつまで俺はここにいたらいいんだ、って。

仲裁頑張って。

【嘘】こんにちは

セグウェイに乗って掃除機をかけながら、颯爽と冬空を飛んで行くおばさんが、手を振り挨拶をくれた。
今時の魔女は気さくだなぁ。

【嘘】クッキー

昨日の夜は美味しいそうな満月だったのに、今日の夜空には三日月が浮かんでいた。
太陽が満足そうに沈んでいったので、一口かじったのだろう。

【嘘】それを開けるには小さな気づきと遊び心

玉乗りしたネズミが隙間に入っていった。
するとガチャリと音がして、開かずの扉だった物が開いた。
この隙間が鍵穴だったとは、知らなかった。

【嘘】同窓会

捌いた魚の鱗一枚一枚に、中学三年の時に同じクラスだった人達の名前が書かれていた。
魚の目玉は先生そっくりだったので、思わず挨拶をした。

お久しぶりです。