最果てを目指す旅②-根室市郊外-
北方領土返還運動の最前線、納沙布岬へ
本土最東端、日本で一番最初に朝日が昇る場所である納沙布岬へは根室市街地から車を走らせること40分くらいで到着する。
巨大モニュメント「四島の架け橋」の下では、静かに「祈りの火」が灯されていた。
ここにある資料館には双眼鏡がたくさん備えられていて、無料で見ることができる。レンズの向こう側には、ロシア人の民家や監視塔などの建物がはっきり見える。
この地で感じる異国にはいわゆる異国情緒とは趣が異なる緊張感がある。
北方領土イメージキャラクターのエリカちゃん。エトピリカという鳥が元ネタらしいが、可愛らしい姿形をしながら「返せっピ!」と鳴く、なかなか思想の強いキャラだ。根室市内ではあちこちでエリカちゃんの姿をお見掛けする。
エリカちゃんの日常を発信するX(旧ツイッター)がかなりシュールで面白いのでフォローをお勧めする。もっと全国にエリカちゃんの魅力が伝わってほしい。ふなっしーやくまモンくらいの人気を獲得するポテンシャルがあると思う。
東京より早い東の街の夕暮れ
納沙布岬と市街地を結ぶ道沿いにはこのような北海道らしいダイナミックな風景が続く。
この辺りの道路では、エゾシカが頻繁に横断しているらしく、路面に「シカ注意」との表記がある。実際に何度も道路を横断中のシカに遭遇した。彼らは「飛び出す」のではなく、実に悠々と優雅にマイペースに横断する。
根室の夜は早い。体感的に東京より1時間くらい早く夕暮れがやってくるように感じる。午後三時を過ぎればもう夕方の空気が漂い、不思議と眠くなる。
ところで、根室市内では最近、ヒグマの目撃情報が相次いでいるようだ。「ヒグマ注意」の看板をあちこちでよく見かける。セブン・イレブンの裏にヒグマが現れたなんて情報さえある。後で知ったことだが、私が訪れた神社の近くでも、ちょうど訪れた日の同じ時間帯に、ヒグマが目撃されていたらしい。
夜の街と根室の海の幸
市街地に戻り夜の街へ出かける。坂を下った先の港の近くは根室でいちばんの繁華街で、居酒屋やスナック、バーなどがある。とはいっても誰も外を歩いていない。しかし居酒屋のドアを開けると不思議とどこも賑わっていて満席なのだ。いったいこの人々はどこからやって来たのだろう・・・?
写真を撮り忘れてしまったが、居酒屋では土地の海の幸をぞんぶんに味わうことができた。この季節はサンマが旬で、脂ののったお刺身がとても美味しい。そして花咲蟹のむき身を甲羅にずっしりとつめたものが衝撃のお値打ち価格・1200円で提供されていた。蟹の味噌汁も美味で感涙した。蟹ってこんなにおいしいものなんだとこの歳になって初めて知ってしまった私である。
根室の夜は更けていく・・