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なぜ、下級生は廊下を直角に歩くのか? 第2章 その7

気持ちを切り替える「マイスイッチ方法」とは

気持ちを切り替える。
それが仕事や生活に役立つことはだれでも知っていることです。
でも具体的に「どうやって気持ちを切り替えたらいいのか?」と問われるとすぐに答えられる人は少ないと思います。

私が宝塚で得たテクニックがきっと役に立つはずです。

失敗はスパッと忘れる「役の早替わり式切り替え方法」

宝塚の場合、一つの芝居の中でも下級生はいろいろな役になり、一場では戦う戦士だったのが、三場では農家の人だったりすることは当たり前のことです。
ショーやレビューになると、さらにめまぐるしく役は変わっていきます。
森の妖精が次の場では酒場のダンサーになり、またすぐに舞踏会の歌手になり、早替わりしながらいくつもの役をこなしていきます。
前の場での失敗をいつまでも引きずっていると、たとえ衣装を着替えたとしても心の中が変わっていないためいい演技はできません。

舞台では気持ちの切り替えが重要なのです。

ここで気持ちの切り替え方を紹介しましょう。
複数の役を演じるときは、まず何らかの「役」になりきり、そして次の「役」にすぐに切り替える必要があります。A役からB役へ変わるときの切り替え方は、次のパターンがあります。

・A役の衣装を脱いだ瞬間にその役を忘れる人。
・B役の衣装を着た途端にその役になる人。
・すべての用意ができ舞台の袖でスタンバイしたときにその役になっていく    
 人。
・舞台に出た瞬間にその役に飛び込める人。
だれもが、自分にあった切り替え方を取得していくのです。

一瞬で集中する「自己暗示法」

こんな切り替え方をしている人もいます。
例えば指輪、ネクタイや帽子など、衣装の中にもいろいろと身につける物がありますが、最後の物を身につけると「その役になる」と自己暗示をかけるのです。
「衣装を着て、最後この指輪をつけたら、私は◯◯になる」
そう思うのです。
これは練習です。稽古のときからそう思えるように何度も何度も暗示をかけるのです。
するとできるようになるのです。
その一瞬で集中できて、すっと役に入っていけるようになります。

つまり、最後に何か身につけるものを「切り替えるスイッチ」にするのです。こうして、次々と違う役に切り替えるときも何かスイッチの役目になるものを自分で見つけていくのです。

日常に応用が利く「マイ切り替えスイッチ方法」

この方法は、日常の生活の中でも応用できます。
まず、自分の日常生活の中で特別な作業ではなく、一日に何度か繰り返している行動を思い出してみてください。
例えば、珈琲を飲む、鏡を見る、背伸びをする、深呼吸をするなどです。
たくさんありますよね。
その中でやりやすい行動をいくつかピックアップします。
例えば、朝から家の掃除などをしている主婦の私(真弓さん)が、講演のために出て行く用意をしていたとします。
準備ができたら、もう一度鏡を見ます。
そして自分の顔を見て「はい、ここから講師の桐生さん」と自分に向っていうのです。

主婦から講師に切り替えスイッチが入りました。
仕事が終わって家に帰ってきたら、再び鏡を見て「はい、主婦の真弓さん」と自分にいいます。
講師から主婦へ切り替わりました。

こんな調子です。自己暗示をかけて切り替え、そして集中力を高めていきます。
ほかにもいろいろとできますよ。
珈琲を飲んだら「バリバリ営業マン」。
パートから急いで子どもを迎えに行くときに、保育園の前で大きく深呼吸。「ここから明るいママ!」。
それもとてもいいと思います。

このように日常の中で「マイ切り替えスイッチ」を作っておくのです。
単純ですがとても効果のある「マイ切り替えスイッチ」を見つけて活用してください。
少し練習すると簡単にできるようになりますよ。
ぜひ試してみてください。

「なぜ、下級生は廊下を直角に歩くのか?」桐生のぼる著書より 
                    第3章につづく・・・・

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