♯4 司法試験確実合格にあたって実は優先順位の低いこと8選

※本ブログは一見すると尖って見えるかも知れませんが、あくまで目的は‘’確実合格‘’にあります。上位合格することをためのノートではないことをご留意ください
※(最も筆者は、論文596位、総合605位だったので、学部時代に法律の勉強をほとんどしたことがない未修者としては十分コスパ良く好成績を残せたと思っています。)
※本文における基本的知識とは、演習書各科目1冊文の知識+AランクBランクの過去問で学んだ知識を指します。詳しくは「#3司法試験合格に必要な知識量・勉強量とは」を読んでください!

 司法試験は、頭が良い人か、自分が頭が良いと思っている人しか受けない試験です。その中で何年も費やして、凌ぎを削って戦う試験になるので、努力は圧倒的に求められています。
 また、司法試験は努力の方向性を間違えると簡単に落ちることになる試験です。単に5,000時間勉強した人が落ちて10,000時間勉強すれば受かるというものでもありません。このことは、色々なデータを見て頂ければわかると思います。例えば、学部1年生から勉強しつつも予備試験に受からなかった人は、4年+既習2年で6年費やしていますし、法曹コースの学生も3+2で5年費やしていることになります。しかし、本ノートを素直に読んで頂ければ2〜3年で確実に合格できる試験であるということを強く伝えたいです。
 人間というのは真に集中できる時間というのが1日3時間もないため、コスパの悪いことに勉強時間を費やすということは、勉強をしながら確実合格から遠ざかる行為であると思ってください。
 つまり、私があなたに伝えたいのは、限りある勉強時間を正しい勉強に配分するということがとても大事であるということです。この視点を持ってください。
 そこで私は、最大コスパで確実合格をするというベクトル記事を作成しています。それでは早速優先順位が低いこと(はっきり言えば上記の通り確実合格という点では遠ざかっている行為)8選について書いていきます

No. 1 1科目につき、基本書を複数買うこと

 ロースクールにいると、教授は教授毎に違う参考書を薦めてきますし、また、一人の教授でも複数種類の基本書を見るように薦めてきます。これは“教授”という職業に理由があるのではないかと思います。教授は、一般に、研究テーマを考え、‘’自分で‘’研究し、‘’深く‘‘理解し、発表するといったことを行います。ここの‘’自分で‘’ということが染み付いているので、人に聞くのではなく、自ら色々な文献を研究して考えるというのが勉強法のスタンダードになっているからです。しかし、司法試験は本試験においては、合格率およそ50%の試験であり、また、合格点をみても各科目受験者平均+ほんの少し取れば合格できる試験です。このことから分かるのは、人より抜きん出て‘’深く‘’理解することが求められる試験ではないということです。「司法試験論文式試験って何者?」で丁寧に記していますが、基本的な知識を正確に覚えて置くことが司法試験では求められているので深い知識は求められていません。そのため、基本書を複数購入して読み込むことは、司法試験確実合格に近い行為とは言えません。また、法科大学院生や学生はお金も困っていることが多いかと思いますので、その点においても色々な基本書を買うことは絶対におすすめ出来ません。基本書1冊読んでわからなければ、教授や優秀な周りの人に聞く方が遥かに学びを得られます。

No.2  演習書を複数買うこと

 演習書とは、予備校や市販されている問題集のことです。別記事の「#2司法試験論文式試験とは何者?」に詳しく書いているので詳しくはそちらの記事を読んでほしいのですが、演習書を複数買うという行為は、基本的知識を上回って論点に漏れなく把握しようという行為になるので、言い換えれば現場思考の問題を知っておこうとする行為にあたります。しかし、これは「#2司法試験論文式試験とは何者?」で説明させて頂いたように、現場思考の問題=受験生の大半が試験会場で初めて見る論点=皆出来ないから多くの人が勝手に自爆するので基礎に忠実なだけで論点にまで気づけるので高得点が狙える、ためわざわざ知っておく必要はありません。にも関わらず、複数の基本書をやろうとすれば、時間が有限であるため、おのずと基本的な知識の精度が下がることになり、結果として、確実合格から遠ざかる行為になります。つまり、合格から見た時の優先順位が低いものになります。周りとの差別化が求められる予備試験の合格や上位合格を狙っていく上では必要になってくる蓋然性も上がりますが、少なくとも確実に司法試験に合格するという上では、優先順位は下がります。合格点等を見てもらえればわかりますが、全科目において受験生の平均を抑えておけば確実に受かる試験であり、また、基本的知識の精度で合格は決まってしまうからです。

No.3 調査官解説・最新判例について読み込む

 これも「#2司法試験論文式試験とは何者?」でも説明させて頂きましたが、この行為は現場思考問題について"知っておく"いうことを目的とした行為にあたり、No.2と同様、現場思考の問題=受験生の大半が試験会場で初めて見る論点=皆出来ないから多くの人が勝手に自爆するので基礎に忠実なだけで高得点が狙える、ものになります。予備合格や上位合格を狙うならまだしも、司法試験の600位台合格を遥かに上回る完全に“やり過ぎ”な行為になるので確実合格の点からすると一切オススメ出来ません。しかし、教授は往々にして調査官解説まで調べろ等言ってきたり、また、周りの友人も最新判例は知っておいた方がいいと伝えてくるかもしれません。その際には、基本的知識が完璧かまずは立ち返り、必ずそこが完璧になってからにしてください。

No.4 判例集・百選などの読み込み

 ここは、多くの司法試験受験生が取り組んできたものであり、もしかしたら暴論と言われるかもしれません。しかし、確実合格のためにあえて踏み込んで話させていただくと、判例等の読み込みは、実務家となった後は、大事な行為になりますが、司法試験の確実合格においては、不要です。
 判例学習によって抑えるべき知識は、司法試験との関係においては、判例の論点(所在)、判例が導いた結果、導いた理由の3点を抑えるだけで十分です。そして実は、このほとんどは論証集などで、論証化されているため、論証の暗記をしっかりとするだけで、実は司法試験に合格する知識としては十分なのです。また、論証化されていない判例は、多くの受験生が見ていないためつまり現場思考問題になります。何度も口うるさくいっていますが、現場思考の問題=受験生の大半が試験会場で初めて見る論点=皆出来ないから多くの人が勝手に自爆するので基礎に忠実なだけで高得点が狙えるものなので、判例を抑えておく必要はありません。そのため、判例集や百選の読み込みをすることは、実は優先順位としてはかなり低いものになります。
 私も、実際判例集等は一通り購入していましたが、ほぼ開いたことはなく、授業の中で開くことはあっても判例集・百選は無用の長物でした。しかし、多くの受験生が判例集を素読したり等することに多くの時間を使います。別記事で書いたように司法試験は受験生がほぼ知っている基本的知識を正確にすること+問題文の事情を漏れなく拾うことで受かるので、このような現場思考の問題を知っておこうという行為は上位合格を目指すのでなければ不要です。
※あくまでも司法試験確実合格が目的かつ効率を上げるという目的での文章なので百選等が無駄などという見解を示すものではないことご了承ください。

No.5 プライドを保つこと

 あなたは司法試験を受験しようとする方なので、おそらく頭が良いという自負があると思います。あなたを未修者として話しますが、未修者は、ロー2年次において既習者と合流します。ここで、大学卒業からストレートに入った人でも既習の人より1歳上ですし、社会人経験等ある方でしたら更に、年次が上になるかと思います。年功序列の日本において年下に、頭を下げるというのは簡単な方法ではないかも知れません。しかし、法律の勉強をしている期間については既習の人の方が遥かに長く、母数も多く、更に成績が良いのも既習の人達になります。また、彼らは、友達に学部時代に予備合格をした友達や法曹界の知識など遥かに多くのものを持っています。既習の人からの積極的なコミュニケーションを期待して待つのではなく、是非自分から働きかけて積極的にコミュニケーションを取ってください。勇気を出して関わっていってください。これは既習の方も同じで是非、周りの受験生と積極的なコミュニケーションを取ってください。残酷な話になりますが、既習の人や周りとコミュニケーションを取らなかった人ほど撤退や留年、不合格といった結果になる蓋然性は極めて高いです。(本当にそうです‼)
 なぜなら、周りの人間と法律の話をしているうちに、新たな情報に気づいたり、自分の知識の誤りに気付けたり、受験生のレベルを把握したり、自分の理解が深まったり等多くのメリットがあるからです。また、ただ机にひたすら向かっているだけでは多くの人は2年も耐えられないと思います。辛い時に共感し合える仲間がいることはとっても助けになるので是非積極的にコミュニケーションを取ってください。
 また、このプライドを保つというのは特にNo.8とも関連して院のソクラテスメソッドで’’出来ない’’学生扱いされることを忌み嫌うことも指します。確かに、大勢の学生の前で答えられないことは恥ずかしいと思います。しかし、その目先の恥ずかしいを避けるために予習復習に多くの時間を割いていては、「司法試験に求められる知識量・勉強量」で書いた項目をする時間が取れなくなるので合格からは遠ざかります。
 私が好きな言葉に、「実るほど頭の垂れる稲穂かな」という言葉があります。
 受験生は出来ないからこそ受験生なので、出来ない人と見られることを恐れないでください!

No.6 予備校に対して過度に批判したり、利用しないこと

 予備校は、数多ある基本書や論文などから皆さんの代わりに受験に合格するための、知識を集約し、また、知識の重要度を見える化してくれているので非常に有用です。確かに、論証は修正が必要な部分も少なからずあったりしますが、土台を築くにおいては非常に有用です。また、毎年某予備校が大半の合格者数を出しているように、受験生の大半は予備校を利用しています。先ほども伝えたように司法試験は、みんなが把握している知識を正確に覚えられていたら、十分に合格できる試験なので予備校に通えばわかりやすく、覚えておくべき知識の大半を教えてくれるので効率が非常に高いです。
 私自身は、伊藤塾の本科生ですが、伊藤塾の『論文マスター講座(約50万円)』orアガルートの『重要問題習得講座(108,000円)』だけでも強くオススメしたいです。お金に苦労されていらっしゃる方でも、例えば院入学までに時間があるなら、テキトーな基本書を読むより、バイト等をしてでも講座を取った方が結果的に合格は近くなります。論文マスターを3周して論文マスターの知識を押さえたら、あと必要な知識は過去問演習で十分に得ることが出来ます。確かに安価なものではありませんが、基本書演習書判例集等を全科目合計で20冊ぐらい買うことや不合格や留年などをしたら遥かに高くつきますので効率の良い方法として書かせていただきました。
 また、大学院には一定数過度に予備校批判をする受験生や教授がいます。しかし、学部で予備に短期合格している受験者の大半が予備校受験者であることを踏まえれば、予備校を過度に批判することは短期確実合格においては得策ではないことは明白です。

No. 7 人に頼らないこと

 5点目のプライドを保つこととも類似するのですが、人に頼らないのをやめるということです。人を頼るという行為は、自分より優秀な人や教授にわからないことを教えてもらうということや、答案をみてもらったり、アドバイスを貰うといったことです。人を頼るということは、自分が出来ていないことを露呈させることにもなり、自分の答案を見せたがらない人が多くいました。また、人の時間を奪う行為になるため躊躇われるのかもしれません。 
 しかし、受験生とは、出来ないことが前提で、合格が夢のはずです。さすれば勇気を出して頼ってください。頼ることで、多角的視点や、自分になかった知識を含めて多くのものを得ることができるようになります。私の周りで、留年、不合格等苦労している人でこの、人に頼れていなかった人は非常に多かったです。
 また、法律家のうち法曹3者はどれも人と関わっていく職業です。さすれば人と接することはとても大事になってきますので、決して排他的にならないようにしてください。

No.8授業の予習・復習にじっくりと時間をかけること

 授業の予習・復習をすることは確かに、授業の理解の解像度を上げるためには有用です。しかし、司法試験は、「司法試験合格に必要な知識量・勉強量」でも述べたようにひたすら暗記・演習書を解くこと・地道に短答をとくこと過去問演習になります。これらの優先順位の高いことについて疎かにし、予習復習に膨大な時間をかけていては、勉強時間がいくらあっても足りないことになります。授業は得てして最新の判例であったり、ニッチな知識を勉強することも多いです。そのため、そのような授業の解像度を上げたとしても、司法試験の論文式試験においては、上位合格するために、周りの受験者より更に浮くための知識を学ぶことになるに過ぎません。何度も伝えているように確実合格に必要なのは基本的知識を正確に把握することなのでこのようなニッチを知識を抑えようというのは確実合格の観点から言えば、ずれた行為になります。加えて、教授によっては司法試験を受けて合格していなかったり、受けてすらいない教授というのも存在します。そのような教授の授業は勉強にならないというわけではありませんが、とりわけ司法試験においては、基本的知識の解像度を上げることが求められるので、試験合格に直結することとは言えません。
予習復習は、あくまで、GPAを取るためであり、一部企業法務の就活や、将来の留学をしたくなければ、特段GPAを取りにいく必要性はありません。

あとがき

 「#2司法試験論文式試験とは何者?」で書かせて頂いたように、司法試験に必要なものは、精度の高い基本的知識+問題文の事実の摘示+評価+問に答えることになるので、上記のような基本的ではない知識の習得は、限りある勉強時間の配分という意味では、確実合格からは遠回りです。(反対に、私以上の上位合格のためには必要になってくると思います。)1年に1回の機会のため、不安からついつい上記のようなものに手を伸ばしてしまいがちです。そうなりそうなときにぜひこの記事を思い出して頂ければ幸いです。
 気になることや相談したいことはお気軽にDMで送ってください。 
あなたの合格を心より祈っています!

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