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できることを無理なく【めざせセルフネグレクト脱却】
『セルフネグレクト』
簡単に言うと、自分で自分を虐待している状態。
何らかの理由で、日常生活を維持するために必要な行為を行う意欲や能力を失い、心身の安全や健康が脅かされていること。
私は、この状態になって約4年経過していて、今は回復の傾向が見えてきたところである。
詳しい症状や回復するきっかけはコチラ
今回は『できるはずのことができない』感覚と『それでもやる』大事さについて。
セルフネグレクトのきっかけ
私の場合は、ストレスだった。
祖母が認知症になり、どんどん何もできなくなっていく祖母を見ることがつらかった。自分の生活(学校)もしながら、祖母と介護をする叔母と母のリズムに合わせるので、スケジュール的に寝ている場合ではなかったり、深夜に思い悩み始めてしまって眠れなかったり。三徹で学校に行ったこともある。
祖母が亡くなった後は、父の倫理観と金銭感覚が狂い始め、情緒的ケアを始めた。父だけでなく、父に疲れた母も。
人のためにエネルギーを使いすぎて、自分のために使うエネルギーが心身ともに枯渇した。消えたいけど消えるためのエネルギーもないから、惰性で呼吸している感じだった。
全てがめんどくさくなってしまった。
料理・洗濯・掃除、普通にできていたのに力が入らなくて、できなくなってしまった。
この状態になって4年ほど経っている。
今は、叔母と暮らし始めて回復傾向。
食事
お箸を使えない。
持ち方は知っている。持てる。でも、食べ物をつかめない。力の加減ができず、つかんだものを落としたり、飛ばしてしまったり。
食器を持ち上げられない。
日本食だと食器を持ち上げて食べることが多いが、持ったら落とす。力が入らない。
私は左半身に不全麻痺があるが、右手で食器を持ち上げても落としたので、麻痺の問題ではない。食べ終わった後の洗い物の時は、普通に食器を持てる。
きれいに食べられない。
めっちゃこぼす。スプーンで口に運んでいる間に落ちることもあるし、口の端から流れてしまうこともある。別に幼子ではないが、スタイ必須といって差し支えない状態。
冷蔵のものなど、パックに入っているものを温めた後、器に移してから食べることが難しい。
どの器に入れるのが適切か、器を食器棚から取り出すこと、考えるのがものすごく大変に感じる。
洗濯
洗濯バサミを上手く握って開けない。
開けたと思ったら、干したいものではなく自分の指や袖を留めてしまう。取って干して、取って干して・・・という動きだけで、走り回ったのかというくらい息が切れる。
シワを伸ばせない。
少し引っ張るだけ。少し畳んで軽く叩くだけ。それができない。それをやる熱意がない。
できること《食事》
食事は、お行儀を考え始めると永久にできないので、置いとく。命の方が大事だ。【自分が美味しいと感じるものを、口に入れ、噛んで、飲み込む】これが最優先事項。
お箸は使えるときは使う。
どうしても上手くいかず、時間ばかりかかる時は、フォークやスプーンに切り替える。
食器を持ち上げるのも出来るときだけ。
フランス料理は食器を持ち上げない、持ち上げても底が相手に見えない形になるので、食事の時はフランス料理だと思っておくことにする。
別にこぼしてもいい。
服は洗えば大抵とれるし、テーブルやトレイに落としたら拭けばいい。パックや器の上で、自分の口に入れるようにすれば、器の外にこぼすことも少なくなるだろう。
パックご飯やレトルトのスープは、温めた後に直接お箸やスプーンをつける。
結局、自分で全て食べるのだから、わざわざ器に移さなくてもいいと思う。
できること《洗濯》
指の力ではなく、手全体を使って洗濯バサミを開くようにした。握るように持って開き、干したいものを挟む。
息切れしたら、休憩する。
タイマーを5分でセットして、呼吸を整える。時間はかかるがリズムがついてくると、少しずつ休憩なしでもできるようになってくる。
シワや洗濯物どうしが水を含んで合体しているときは、とにかくふり回す。※周囲の人や物に注意!
丁寧にした方が服のためにも良い気がするが、まずは自分が生活することが大事なので、置いとく。干した後にシワが気になったら、シワの両サイドの生地を両手で持って、軽く引っ張る。
とにかくやってみる
気が向いたらでいい。永久に気が向きそうになかったら「この日はやるから見といてほしい」と誰かに宣言するのもありだと思う。
とにかく動かないと始まらない。
動いている内に、どういうわけか元気になってくる。自分のことを自分でできるようになると、自己肯定感も上がってくる。
実例《洗濯》
①叔母と暮らし始めて2ヶ月目。
いつもは、叔母が洗濯物を干してくれている横で、私はものすごくくつろいでいるが
気が向いたので、叔母が洗濯機から洗い物を取り出してきたところに合流して、一緒に干した。
フラフラ。すぐに息が切れる。でも、叔母は待っていてくれる。
干す位置が少し違ったらしい。でも、叔母は指摘せずに少し位置を変えるだけ。
普段の倍以上、時間がかかった。
「はい、お疲れさん。ありがと」と、叔母はイライラせずに言ってくれた。
②①の10日後。
歯磨きを終えた直後、たまたま洗濯機がとまった。フタを開けて、カゴを持ってきて、洗濯槽の中に手を伸ばす。
洗濯物を取り込んだカゴを抱えて、干す場所まで移動。もう息切れ。・・・ここで気づく。「洗濯ネット、乾いたの持っていくの忘れた」
ここで叔母は「気にしない、気にしない」と、ネットを持っていってくれた。(ここで1人でやっていたり、否定されたりすると、心が折れてセルフネグレクトが悪化する)
叔母と分担して、全部干すことができた。
洗濯バサミ・クリップが堅くて、私が自力で干すには難しいものを叔母にやってもらった。
家族・支援者へ
「やりたい」「やる」と本人が言ってきたら、受け入れてください。やり始めたら、時間がかかっても自分でやらせてください。
上手くできなくても、途中で疲れてリタイアしても、否定的な言葉をかけないようにお願いします。積み重ねで、いつかできるようになります。もとに戻ります。
マナーや家事の順番は、まずは置いといてください。それらを気にすることもできないくらいに、疲れきっているからです。
私の生活まで成立させてくれて、ありがとうございます。もっと元気になるから、待たせてばかりやけど、もうちょっと待っててください。
全部を自力でやるにはまだ遠いけど、少しずつ近づいてはいる。この調子で前進していく。