パラダイムシフト
「恋愛禁止」
今のアイドル界ですっかり浸透してしまった価値観でそのグループが謳っていなくても暗黙の了解となってしまうほどだ。現代の"パラダイム"となっている。
「スキャンダル」は男性アイドル、女性アイドル問わず時に職を失いかねない。アイドル活動する以上つきまとう。この価値観はいつ始まったのだろう。おそらくパイオニアはAKB48。
私は女性アイドルしか追っかけてこなかったのでここでは女性アイドルのオタク視点で記述する。
平成の時代は一億総中流とも言われる。
成熟社会となりだいたいのモノはお金で買うことができる。
その中でAKB48は「体験・経験」に目をつけた。
”会いに行けるアイドル”をコンセプトに「握手会」の開催、キャバクラの指名制度を参考にし、「個別握手会」を始めたとされる。またファンからの人気投票でリリースする曲の歌唱メンバーを決める「選抜総選挙」も始めた。
その握手券や投票券はCDについている。この手法のパイオニアもおそらくAKB48だ。CDを買うことで握手会で会うことができ、選抜総選挙に投票することができる。握手会で話せることは身近で見れる機会で、選抜総選挙で上位に入れば出世につながる。CDを買うことでアイドルの成長にコミットできるビジネスモデルを確立した。
"会いに行けるアイドル"というコンセプトはオタクとアイドルの距離感の変化ももたらした。想像でしかないが、おそらく昭和の時代はアイドルは高尚な存在であったのではなかろうか。平成、令和の時代は距離感が近くなり人によってはアイドルは"疑似恋愛"の対象となった。
このような風潮になった頃から「恋愛禁止」が謳われアイドルに”属人的価値”が生まれた気がする。その人の存在そのものに価値があると。アイドルそのものが"商品"となったのではないだろうか。
先述したが、今の日本社会は「若い女性に華がある」というパラダイムもある。
おそらくこれがアイドルの若年化を招いており、アイドル活動するには女の子は10代、20代の貴重な時間を捧げることになる。その代わり、その子の懐に直接入らなかったとしてもオタクは何かしら対価を支払っている。私の体感だが、今は”疑似恋愛”要素が強すぎる上、異性の影がちらついた瞬間に自身の価値を失うことになりかねない。
そろそろ「恋愛禁止」・「若い女性に華がある」のパラダイムシフトが起きてもいいのではないか、と思うことはある。
・「恋愛禁止」
アイドルに向ける目が厳しすぎる。ファン対応で異性が喜ぶこととかトップアイドルに至ってはバラエティで「胸キュンフレーズ」とか「理想の恋愛シチュエーション」とか求められたり、恋愛系の曲を歌うこともある。これらは恋愛経験なしで成立するのだろうか。求めているものが矛盾している気はする。かく言う私もスキャンダルに関しては否定的であるが、オープンにならばければ別に良いとも思うし、もう少し見る目が緩和されても良いと思う。
・「若い女性に華がある」
男性アイドルはジャニーズのように息が長いケースがあるのになぜ、女性アイドルはせいぜい20代で終わってしまうのだろうか。息の長い女性アイドルが増えても良いと思う。年を重ねても美しい方は美しい。
賛否分かれる内容だと思うが、皆様はどうお考えだろうか。