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今からでも遅くない! 『宇宙よりも遠い場所』半日聖地巡礼ルート

2018年の放送から早6年、もはや古典になった感もあるアニメ『宇宙よりも遠い場所』(通称よりもい)。

作品自体は1話からリアタイしていた古参ファンだったのですが、いまだに聖地に足を運んだことがなかったので、一念発起して主人公キマリたちの地元である群馬県館林市に行ってきました。

今更行っても流石に熱は冷めてるだろう…と思っていたら、まだまだ現役でコラボしてる! ファンの人も来てる! 館林の皆さんのホスピタリティが想像以上で、思わず館林に住みたくなってしまうくらいだったので、今からでもぜひ聖地巡礼に行ってほしいという思いも込めて、道程をルポします。


ルートマップ

今回は市が無料で貸し出しているレンタサイクル「ぽんちゃり」を駅前で借りて、館林駅〜茂林寺前駅の範囲を巡礼しました。館林駅に着いたのが12時前で、帰りは19時くらいだったので、だいたい9時間くらいの行程になっています(それぞれのスポットへの滞在時間にもよります。回るだけなら6時間もあればOKかと)。

今回の行程をざっと描いた地図。行動範囲が広いのでレンタサイクルは必須。地図データは © OpenStreetMapから。

参考にしたサイト

「館林くらし」さんの聖地巡礼マップを参考に回らせていただきました。PDFの地図が見やすくて助かった。

①館林駅——「よりもい」の街の玄関口

旅の始まりはここから。東武鉄道の館林駅。東京から在来線で片道ざっと2時間くらいです。

館林駅東口の外観。1話でキマリが旅立とうとした時に入ったのがここ。

到着したら、市政70周年の横断幕と共によりもいの4人がお出迎え。

改札出て早速これなのでテンションが上がる。

駅前のたぬきは数が多すぎてもはやどのシーンでどの子が出てきたのか分からない。

駅前に鎮座しているたぬき像。本編には出てなかったかも…?

キマリが制服から私服に着替えるのに使った公衆トイレも忘れずにチェックしましょう。

キマリが着替えに使った公衆トイレ。ロータリーの反対側にある。

②館林ヒルズホテル——自転車を借りよう

無料のレンタサイクル「ぽんちゃり」を借りられるのが、東口を出て左手に徒歩1分のところにある館林ヒルズホテル。この建物だけ高くて目立つのですぐ分かるはずです。

駅側から見ると館林ヒルズホテルは一目瞭然。

ちなみにこのホテルでは、2024年6月までよりもいコラボ宿泊プランがあったのですが、現在は終了してしまっているようです。

ロビーの受付でホテルのスタッフに「自転車を借りたい」と伝えれば、申請書を渡してくれます。借りる時に免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類が必要なので忘れずに。

ロビーにもちゃんとよりもいのコーナーが。舞台探訪マップは在庫切れらしく1部しかない(泣)。

駐車場から自転車を持ち出したら、いざ、旅に出発です。

③LA MANON——聖地で腹ごしらえ

最初に訪れたのは、駅の目の前にある「銀座カフェー&バー LA MANON」。ここは元々劇中でめぐっちゃんが入り浸っていた「カフェ ド・スタール」という店だったのですが、店主の高齢化で別の店に変わりました。

店の前には日向の幟が立っているのですぐ分かる。

しかし、新しい店主さんも聖地巡礼客が来ることをよく理解しており、店の内装や巡礼ノートなどは、なるべく元のまま保存されています。

昔のままの店内。配置がよく分からず撮っていたが、多分めぐっちゃんが座っていたのはこれより手前(撮影者側)にあった席だった……。

自分が行った際は平日の昼だったからか、客は自分1人だけ。何も言わずに席に座ったら、見た目がよほどオタクだったのか、店主さんに巡礼グッズを案内されました(笑)。

店内の聖地巡礼棚。蓋を開けると巡礼ノートやファンの方が作った同人誌、寄せ書きなどがぎっしり。

注文したのは、そのものずばり「南極カレー」。800円で骨付きチキンとレンコンが入っています。

スプーンを入れた後に気づいて慌てて写真を撮った。

帰り際、店主さんに「結構聖地巡礼行かれるんですか?」と聞かれたのでこれまで行った聖地の話をしたら、「大洗=ガルパン」というのは知っていました。意外とアニメ通の人なのかも…? 気さくな方で、とても楽しく食事できました。

④ローソン館林本町一丁目店——親の顔より見たローソン

さて、腹ごしらえを済ませたら、お次はおそらく日本で一番有名な、あのローソンに行きましょう。作中で日向とキマリがバイトしていた、ローソン館林本町一丁目店です。自転車で10分くらいの場所にあります。

見ると結構「ああ、あそこだ!」となる。

皆さんも、ただのローソンの写真を撮りまくる不審者になりましょう(笑)。

2話でキマリと報瀬が叫びあった横断歩道。作中の「グレコ」の看板の元ネタは「コグレ」だった。

⑤よこつか花店——しれっとOPに出てたよ!

続いて行くのはよこつか花店。ローソンの前の通りを少し入ったところにあります。実はこの店の前の通りがOPの1カットになっているのですが、自分はその構図での写真を撮り損ねました(泣)。

この通りを左向きに撮ると、OPのカットになる。

⑥〜森田屋支店——5話の道中

OPカットの道を直進していくと、5話でキマリとめぐっちゃんがカラオケからの帰りに通った辺りに出ます。作中だと夜なので暗くて合わせづらいですが、結構そのままだったり。

2人が横切った川。作中カットはガードレールの反対側から道を撮る画角。
森田屋支店、ビストロスギエのある通り。2人はここを歩いていた。

⑦館林グランドホテル——窓は開いているか?

続いて訪れたのは、3話で結月が泊まっていた、館林グランドホテル。中には入れなかったので外観だけ撮りました。

どこの窓も開いていなかった……

⑧ちびっこ広場——回想シーンも忘れずに

グランドホテルの前の川沿いの道を直進すると、回想シーンでキマリが砂場遊びをしていた砂場がかつてあった、ちびっこ広場に出ます。今は工事が行われ、当時の姿は面影を残すのみです。

子供が遊びそうな公園。
おそらくこれが砂場の跡地と思われる。

番外編:館林市役所〜第二資料館

この辺りには「向井千秋子ども科学館」など、市の中心施設が密集しています。聖地ではありませんが、来たついでに足を伸ばすと楽しそうです。

よりもいコーナーがあると噂の、市役所前の城町食堂。昼飯を食べてしまっていたので中には入らなかった。
科学館は非常に近未来的な見た目。
レトロな擬洋風建築の第二資料館。
第二資料館にあった「わくわく里沼ビレッジ」の地図。つつじが岡公園の辺りに見覚えのある2人が……。

⑨つつじが岡公園——実在した伝説の東屋

さて、尾曳橋を渡るといよいよ見えてくるのが、キマリたちがよく放課後に溜まっていた東屋がある、つつじが岡公園です。広くて自然豊かで、ここに散歩に来られる住民の方が羨ましくなります。

例の東屋。見た瞬間「本当にあった…!」となった。
報瀬が見ていたのと同じ画角で城沼を望む。

⑩つつじ映像学習館——ファンの愛が詰まった場所

つつじが岡公園内にあるのが、つつじ映像学習館。本来はつつじについて映像で学習するための施設ですが、よりもいファンにとっては集いの場でもあります。中に入ると、壁一面のファンアートが出迎えてくれます。

壁一面、いや二面分ある、寄せ書きやファンアートの数々。ファンの熱を感じる。

中にはキャラ達のオリジナルイラストのパネルも立っていて、「よりもい感」の強さに圧倒されます。

自分が行った時には他にも2人、ファンの方がいて、3人で黙々とかざられている同人誌などを読み込んでいました。時間が溶けていく……。

このメンツでリンが入っているのはちょっと面白い。

中では現地でしか買えないオリジナルのアクキーやクリアファイルなど、よりもいグッズも売っています。

聖地スタンプは、ファンの方がオリジナルのスタンプ台紙を用意してくれているほどの気の効き様。

自分はキマリと結月のアクキーを買いました。買う時に、どう見ても普段アニメを見なさそうな受付のおばさんが、渡した商品を見て「はい、キマリちゃんと結月ちゃんね」とレジを打ち込んでくれて、地元の人に作品として愛されているのを感じました。

今回の戦利品。スタンド付きだった。カワイイ。

⑪茂林寺——友情とたぬきの聖地

つつじが岡公園を後にしたら、20分くらい頑張って自転車を漕いで、茂林寺に向かいます。途中でココスの写真を撮るのも忘れずに。5話でみんなが行ったカラオケの元ネタになっているまねきねこの店舗は、少し前に潰れてしまったらしいです。残念。

茂林寺は分福茶釜の寺として知られ、中はたぬきの像で溢れている。

こちらは5話でキマリとめぐっちゃんが話し込んでいたベンチがあります。

キマリたちが座り込んでいたのは多分ここ。

ここにも巡礼マップがあるだけでなく、よりもいの公式ファンブックが丁寧にケースに入れて置いてありました。

思わずファンブックを読み込んでしまった。

⑫茂林寺前駅——軽く死ねる青春しゃくまんえん

お寺のたぬき達に別れを告げたら、「軽く死ねますね」駅こと茂林寺前駅に向かいましょう。ここは1話で報瀬とキマリがすれ違った駅であり、3話で結月が降り立ってあまりの暑さに不満を漏らした駅でもあります。

駅前で空を見上げたくなる。
見覚えしかない改札。
お金を落としそうな階段。

⑬ラーメン厨房ぽれぽれ——愛溢れるオリジナルメニューで夕食

ここまで回ったら、だいたい夕食の時間と言えなくもない時間(17:00くらい)になっていたので、ご飯を食べに行くことに。向かったのはラーメン厨房ぽれぽれ。開店は17:30だったので少し待ちます。

お店の外観。結構いい雰囲気。

ここにはよりもいコラボメニューがあります。ただし、店員さんに「よりもいコラボメニュー頼めますか?」と聞かないとメニューが出てこない仕組み。これで普通のお客さんと聖地巡礼客を見分けているっぽいです。

公式フードは声をかけないと頼めない。入り口に置いてあって分かりやすい。

自分はコラボフードの「タヌキマリラーメン」と、結月カラーの「南極フロート」を注文。ラーメンは可愛らしい見た目ながら麺の味がしっかりしていて美味しかったです。フロートも見た目が思った以上に南極でした。

お品書きはこんな感じ。この店限定のクリアファイルも売ってます。
ラーメンとフロート。フロートはちゃんとブルーハワイの味でした(笑)

お店の奥には、巡礼ノートやファンアートを飾っているコーナーが。ファンの集会でも度々使われているらしく、愛を感じます。

なぜかアニメの複製原画とかも置いてあった……。

帰り際、店員さんから、どこから来たのか、車で来たのか、などなど質問され、少し雑談に。こんなに客に話しかけてくれるのも、聖地ならではな気がします。帰り際、思わず「また館林に遊びに来たいです!」と言っていました。

ラーメン店を後にしたら、自転車をホテルに返して、館林駅から帰途につきます。非常に濃密で、満足度の高い1日でした。

夜の館林駅。また来たいですね。

まとめ:人が暖かい町、館林 よりもい熱はまだ冷めてない

元々一大観光地だった大洗ならいざ知らず、そんなに観光地としてメジャーではない館林でしたが、行ってみたら非常に魅力が多く、繰り返し訪れたくなる場所でした。

何より現地のお店の方々の聖地巡礼客へのホスピタリティーがとても高いです。積極的に巡礼グッズを案内してくれますし、いろいろ話しかけてくれます。

放送開始から6年、もう昔の話になっているかと思いきや、今でも聖地の熱は冷めていませんでした。東京から片道2時間、特急を使えば1時間半の、日帰りしやすい聖地、館林。まだ訪れていない「よりもい」ファンの皆さんは、ぜひ一度は足を運んでみてほしいです。

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