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HUNTER×HUNTERから学ぶ【表裏一体の哲学】

こんにちは、前回に続きハンターハンターの哲学シリーズ第二弾ということで、今回は「表裏一体」について取り上げていきます。

ハンターハンターの有名なエンディングソングがゆずの「表裏一体」であるように、この作品では物事の「表裏」を考えさせられます。

物事の大半は、単純な善悪ではなく、良い面と悪い面が同時に介在しています。

グレーというのとは少し違い、白と黒を同時に持っているという解釈が良さそうです。

ではまず、作中で描かれた表裏一体の例を見ていきましょう。

※ここからはネタバレを含むので、十分に注意をしてください。


HUNTER HUNTERで描かれた表と裏

メルエムの絶対王政 vs. 人間社会の自由

キメラアント編では、ハンター協会がキメラアントの撲滅をするべくキメラアントと戦います。

人間最強であるネテロの歯が立たないほどの強者であるキメラアントの王、メルエムは戦闘能力はないが特別な力を持つ人間もいることを知り、「強者が上に立ち、弱者を管理することでよりよい世界をつくる」という思想を持っていました。

※メルエムは特別な力を持っていないものは淘汰されるべきだと考えている

メルエムは人類を滅ぼすのではなく、人類を統率し共生しようとしていました。

ここで考えたいのは、人間側と蟻側どちらが勝ったら、人間社会はよりよくなるのかということです。

現人間社会の良い点(日本社会で考える)
・何をするもの法が許す限りは自由である
・社会のリーダーは民意が反映される
・福祉制度や助け合いで人間らしい共存が可能

現人間社会の良い点(悪い点)
・自由が故に戦争や暴動、混乱が起こることが多々ある
・政治に民意が反映されるがゆえ、政治がなかなか進まない
・福祉制度や助け合いがあるがゆえ、それが足手まといになり得る

メルエムの絶対王政の良い点
・「絶対的な力」により、社会の統制が取れて、戦争や犯罪がなくなる
・有能な個体だけを残すことにより、社会の生産性を最大化し、資源分配も効率化でき、持続可能な社会が生まれる
・メルエムだけがリーダーとなるため、政治が進めやすい

メルエムの絶対王政の悪い点
・個人の自由や個人への尊重がなくなり、創造性や文化の発展を阻害される
・社会的弱者が切り捨てられるので倫理的問題がある
・メルエムの判断が間違っていても誰も正すことができず、社会が破滅する

つまり、メルエムの社会と人間の社会は裏返しの関係にあります。

このように物事には表裏があり、見方によって善悪が変わっていくのです。


その他の表裏一体

HUNTER HUNTERのその他の表裏一体の例は以下の通りです

・ゴンの純粋さと狂気

ゴンは強い正義感と純粋な心を持っていますが、その純粋さゆえに、カイトを殺された際には冷酷にピトーを倒そうとしました。純粋であることは時に強さになりますが、それが行き過ぎると「狂気」にもなりうるのです。

・ネテロの「絶対的な正義」とその代償

ネテロは人類を守るためにメルエムを倒そうとしましたが、その手段は「貧者の薔薇(ミニチュアローズ)」という大量破壊兵器でした。結果的に王を倒したものの、人間側も決して「正義」とは言い切れません。

・クラピカの復讐心と自己犠牲

クラピカは復讐のために強くなりましたが、その呪縛から逃れられず、精神的にも疲弊しています。復讐が「力を生む」一方で、「未来を奪う」側面もあるのです。因みにクラピカは能力の代償として、今までで20年ほど寿命を削っています。


現代社会で考えてみる

現実世界でもこの考え方があると、視野を広げられます。

例えば簡単なものでいうと、医療技術の発展の表裏一体です。

医療技術発展の良い点
・医療技術の進歩により、寿命が延び、多くの病気が治療可能になった。
・生活の質が向上し、健康な時間が増えた。

医療技術発展の悪い点

・高齢化により、年金や医療費の負担が増加し、若い世代にしわ寄せがくる。
・寿命が延びても、介護が必要な期間が長くなることで、本人や家族の負担が増える。

このような感じで様々な現代社会の問題には表裏が必ず存在します。


もっと拡大解釈をしてみる

この考え方は社会問題だけでなく、もっと身近な暮らしにも応用できます。

例えば、得意なことと苦手なこと。

僕の場合は得意なことは何かを作ること。
苦手なことは話すことです。

何かを作ることが好きな僕ですが、一度ハマるととことんハマってしまうという性格を持っているという背景があります。

これは一見するとプラスなことですが、この裏には、ハマりすぎて周りが見えなくなるという欠点も孕んでいます。

また、苦手なことは話すことですが、これは前の記事でも書いたように持病の脳の病気が影響しています。

小さい頃に大きな病院で闘病生活をしていたこともあり、その点で病気になっている人の気持ちはある程度考えられるということは良い点でもあります。

短所があるのならそれは、裏を返すと長所になるということを忘れずに生きていきたいですね。

この議論を広げれば、ピンチこそチャンスとなり、チャンスこそピンチとなるということも理解できそうです。

このように、すべての物事には表と裏があり、単純に良い悪いで判断することはできません。


まとめ:「表裏一体」の考え方から学べること

表裏一体の考え方は、すぐに「これに違いない」と決めつけてしまうことを避けられます。

物事には常に利点と欠点が存在し、策であれば、その欠点を受け入れる覚悟を持って進めていく必要があります。

また、この表裏一体の価値観を持つことで、多様な考え方を吸収することができ、視野が広がるでしょう。

皆さんも、自分の欠点があるならその利点、逆に利点があるならその欠点を考えてみてはいかがでしょうか?

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