いちばんぼし、見ーっけ!
教育実習のころからずっと、受け持った子どもたちに贈り続けてきたものがある。過ごした日々で、私が見つけた「その子のいいところ」を記したいちばんぼしカードだ。
私の原点は、「100%無理!」という担任からのひと言。当時はめちゃくちゃムカつき、ほぼ反発心から「ほんなら、私が1%の可能性でも信じ抜く教師になってやろうやん!」って思ったのがスタートだ。
「できない」ではなく「できる」ところに目を向け、自分の良さに気付かせていく。
教育実習・担任を含めて300人以上の子どもたちの長所を見つけ、いちばんぼしカードにして伝えてきたのだけれど、
1人だけ、カードを渡した後に「先生のいちばんぼしを見つけた!」と言って、何度も書き直したであろう手紙をくれた子がいる。
2年生の子どもにとって、星の形をかくのはかなり難しい。定規を使って一生懸命書いてくれた星形には、彼の筆圧の強い文字ではっきりと「先生のいちばんぼしは、みんなをしっかり見てくれるところ」と書かれていた。
立場が逆転した?と錯覚するぐらい、人への目線がやさしかったあの彼。今ごろどんな大人になっているだろう。
✴︎
カードを渡すと、「えー、こんなの当たり前のことだよ」と言う子どもたちもいる。
そんなときは
「それって先生からすると、すごいことなんよ」
と伝えてきた。
大人もそうやけれど、子どもたちって予想以上に自分に厳しい。
自分で自分を認めるのは難しいやろうから、代わりに担任の私が年度の最後に褒めちぎる。
あなたのいちばんぼしは、なんですか?