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ニューカレドニアの航空会社エアカランが危機脱出のために出した3つの施策
フランスの公共放送France TélévisionsのニュースサイトFranceinfoに「ニューカレドニアの危機を受けてエアカランが発表した3つの対策」という7月10日付けの記事がありましたので、その内容を抜粋。
現在ニューカレドニアを襲っている危機の影響を受け、エアカランは持続可能性を維持し、そのモデルを新たな市場の現実に適応させるための措置を講じることを余儀なくされている。これらの措置は、運営、雇用、資金管理に関するもの。
7月から10月までの期間、当局による運航制限(外出禁止と商用便の全面再開)が解除され次第、以下のプログラムが実施されます。
1 路線とネットワークの見直し
日本の東京-成田線は「9月から追って通知があるまで」停止。7月と8月は週1便に減便
メルボルン線運休
シドニー、週3便から2便に
ブリスベン、週3便から期間によって1-2便へ
オークランド週3便から1 -2便に
フィジー経由タヒチ、需要に応じて週2便から1 便
バヌアツのポートビラ、8月のスクールホリデーに週1便運航
コードシェア契約の、ニュージーランド航空のヌメア~オークランド線とカンタス航空ヌメア~ブリスベン線も運休。
2 一部の従業員を短時間勤務に
2つ目の対策は、「一部の従業員を短時間勤務にすることで、労働力を維持する」。6月1日から始まり、主に運航乗務員と運航スタッフに適用され、年末までにタイのバンコクを経由するヌメア-パリ線が開設される可能性があり、「活動不足」状態。これは従業員の35%から40%、460人の従業員のうち260人に影響する。
3 投資の保留と期日の延期
第3の優先事項はキャッシュフローの維持すること。予定していた投資を保留することを意味する。また、コロナによる危機の際に借り入れた国家保証付きローンの返済や、最近の機材更新に関連した返済などの期限を延期も意味する。
5月13日から7月7日にフライトの6割がキャンセル
トントゥータ空港は5月13日から6月5日まで閉鎖。エアカランによると、5月13日から7月7日の間に、477便のうち317便がキャンセル、これはフライトの66%に相当し、2万9005人の乗客が影響を受けた。
この間、160便が維持(スケジュールの34%、乗客数1万9272人)。160便のうち、37便は当局の要請によるもので、本国送還や人員・貨物の輸送のための運航。11便のチャーター便も当局の要請で運航された。
このような急激な落ち込みに加え、旅行全般、特に観光業の回復には悲観的な見通し。今後数ヶ月間、全体のトラフィックは少なくとも50%減少すると予想されている。
(以上Franceinfoより)
日本からの需要が戻らないとバンコクに行く可能性も?
エアカランの成田便は、宗主国フランスからの観光客の乗り継ぎがメインの需要で、残りを日本向けに販売しています。2022年からは同じ長距離線のシンガポール便も就航しており、こちらのシンガポール便は残した形。ただ現状、成田線は10月末からの冬スケジュールの予約はできるので、夏スケジュール中の措置と思われます。
気になったのは、Franceinfoの記事にある、「タイのバンコクを経由するヌメア-パリ線が開設される可能性」。バンコク線ができたら、成田線復活の可能性は少なくなるのでは。
ニューカレドニアは、1980年代に日本のハネムーナーに人気になって、フランスからの訪問者に次いで日本人が多い時代があったほど。今はオーストラリア人が増えたものの、今でも現地では日本語表記が見られたり、日本語対応するスタッフがいたり、日本人フレンドリーでかつ中国圏の人々が少ない、今や希少なデスティネーション。しかし、日本からの需要は、観光局によれば2023年でも2019年比23%(77%減)と回復が遅い。やはり日本の人がたくさん訪れないことには、日本人ウエルカムという関係を保つのが難しいことになっています。