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ウルトラマンを観光復興キャラに起用したシンガポール、今の感染状況は?

 今、政府観光局は大変な時期にある。
 観光分野の広報や誘致活動を行う、政府観光局にとっての商材はその国。通常はプロモーションのために、メディアやインフルエンサー、旅行会社などに現地に行ってもらい、その魅力を消費者に伝えたり、旅行商品を造成してもらうのだが、今それができない。といって手をこまねいているわけにはいかない。自由に渡航ができる日に向けて、手を打っておく必要がある。

 周年事業はプロモーション活用の大きなテーマとなるもの。今年、日本との外交関係樹立55周年を迎えるシンガポールは、6月1日に「SJ55」としてさまざまな企業コラボや企画を実施することを発表した。なかでも55周年つながりで、海外旅行再開に向けたキャンペーン「SingapoReimagine」 のイメージキャラクターに起用したのが、放送開始から今年で55年となるウルトラマン。2022年12月までキービジュアルはじめ、ショートビデオ、ノベルティにも登場する。

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 ウルトラマンのほかにも、SJ55記念事業のプロモーションを展開。Netflixのシンガポール映画配信、オーケストラやジャズ演奏の配信でシンガポール文化に触れる機会を提供。ロイヤルホストの冷凍食品であるロイヤルデリのメニューに海南風チキンライスが加わり、スマホゲームD4DJ Groovy Mix(グルミク)ではシンガポールが舞台になったり、日本人在住者のオンライン動画配信やJTBのバーチャルツアーも実施。食から映画や音楽、ユースカルチャー、一般の旅行者に至るまで幅広くアプローチする。

    詳しくはSJ55の特設サイトへ。


日本の致死率1.7%に対し、シンガポールは0.05%

 現時点では、日本からシンガポールへの観光もビジネスや長期滞在の渡航も1月半ば以降、停止されている状態。シンガポールの新型コロナウィルス感染状況について、シンガポール政府観光局広報担当マネージャー、吉田明子さんは以下のように明らかにした。

 昨年4月7日から6月1日まで実施されたサーキットブレーカー(ロックダウン)を経て、シンガポールは感染拡大を抑えて来た。致死率も日本は感染者全体の1.7%に対し、シンガポールは0.05%に抑えている。5月に入って変異種の市中感染が出たことで、一旦ゆるめた感染予防対策を強化し、5月16日から6月13日まで警戒レベルのフェーズを3から2に戻す措置を取っている。
 強化している対策の一例は以下の通り。
・外食禁止
・社交的な集まりは2人まで
・職場は在宅が基準

 ワクチン接種については、37箇所のワクチンセンターを設置し、人口の28%がワクチンを接種済み(5月24日現在)。 
 
 シンガポールでは予防対策の一つとして、2020年2月から衛生基準を認証するSGクリーン認証制度を導入している。業界や業務に応じた7項目の基準を満たす必要があり、清掃やソーシャルディスタンスの確保だけでなく、担当者の設置や政府の指示の遵守も含む。すでに飲食、宿泊、買物、観光地、MICE施設、IR、クルーズターミナルなど25000件以上の施設が認証を取得。また、安全な旅のために、衛生、社会的行動、検疫と検査、ワクチン、追跡の5項目の対策強化とともに情報共有も行なっている、という。

 日本とシンガポールの歴史は1870年に日本から民間人が移民が始められた150年前に遡るという。2019年には88万4308人の日本人が訪れていたシンガポール。ウルトラマンがスペシウム光線をウイルスに放って、再び地球を守ってくれることを願う。

SingaporeReimagine ULTRAMAN(クレジット必須)_©TSUBURAYA PRODUCTIONS




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