私の人生を変えた鯖江耳かきのお話です
モノづくりに携わっている方は是非参考にしてください。
少しでもあなたのビジネスのヒントになればと願っています。
スマッシュヒットとなった鯖江ミミカキの誕生には色々な思いがありました。
リーマンショックから新規事業の立ち上げ
2009年に発生したリーマンショックをきっかけに
鯖江の工場の若い経営者たちが「自分の商品を作り自分たちで販売する」
という志のもと「鯖江ギフト組」という活動が始まりました。
私の所属していた会社ではカラフルなメガネ材料を扱っていたので
それを基にアクセサリーブランドを立ち上げました。
カラフルな材料はこちらの記事から
鯖江の同志と毎年2月にギフトショーに出展し名刺交換した企業様を一軒一軒訪問し
売り込み、コラボ商品などを作れないか商談してきました。
今思えば多種多様のジャンルに片っ端から訪問したことが懐かしく感じます。
【訪問した企業】
・和装小物問屋(京都)
・ボタン企画会社
・雑貨屋
・TV番組製作会社
・デザイン会社(東京、大阪)
・お香屋(京都)
・温泉街
・美術館(箱根ラリック)
・工具屋
我々の眼鏡業界では眼鏡小売店や仕事を一緒にしたメガネデザイナー、仕入れ担当者、問屋にも協力していただき、知り合いから少しづつ販路を広げていきました。
眼鏡業界はマツケリーの知名度や今までの付き合いから少しずつ販路が広がっていきましたが、異業種の販路開拓は苦戦しました。
【断り文句】
・所詮プラスチックでしょ?
・なんでプラスチックがこんなに高いの?
・見た目はそこらのプラスチックと同じだね
などと今となっては商品しか説明してなかったのでセルロースアセテートとは?マツケリー(イタリアの製造工場)とは?鯖江とは?などと背景を説明すればよかったんだなと思います。
今ではその反省を踏まえて背景を話すようにしています。
みなさんも商品だけでなく商品になるまでのプロセスを語って共感してもらえると感触アップですよ。特に地場産地だと有効です。
余談になりましたが あるとき ふと思うことがありました
アクセサリー以外にこんな綺麗な材料を使った実用的なものはないなと
アクセサリーの他にボタンやハンコを作りましたが材料費、加工賃が莫大にかかる割にはそれに似合わない製品になり葛藤を感じていました。あと自分が欲しいと思わないものを買う人はいないだろうと思いました。
もっとオシャレで実用的なものを、それなりの値段で作れたらなと。。。
しかし方法が見当たらず悶々としながらアクセサリー販売と本業の眼鏡の材料の卸の仕事を続けていました。
【作ったもの】
・ボタン
・ハンコ
・着物の帯留め
・お香立て
・箸置き
・iphoneケース
・マドラー
・箸
人から話しを聞いては色々チャレンジしましたが自分のセンスのなさやアセチの変形などで製品化にはならず。。
そして迎えたギフトショーで単独ブースを出す事となり
上記のように方法が見当たらないので、主催者が用意してくれた
【3.11応援ギフト展示、プレス向け資料提出、ビジネスマッチング】
という全ての特典に応募し販路拡大と活路を見いだせればなと応募しました。
展示会場では200社以上と名刺交換し前年同様地道な営業を続けました。
ビジネスマッチングでは5社応募することができ5社全てオファーを出しましたが、、、1社しか僕たちのオファーを受けてくれませんでした。。。
その1社がセメントプロデュースデザインの金谷社長でした。
商談日を迎え、恐る恐る面談室に入るとパソコンの前でタイプを激しく打ち、
10個ほどもあるタコ足USB充電器をパソコンに接続し携帯を充電されてすご腕IT社長でした。
挨拶するとすごく気さくな方で仲良くさせてもらっている福井のFACTRY900のメガネをされていてすごく親近感がわいたのを覚えています。
『福井産のおメガネされていますね!』が第一声だったような。。
20分と限られた時間で当社の商品を紹介し、
販路開拓もしたいですが、この材料で何か作ってください!
とかなりザツにお願いしました。(今となっては笑話ですが社長は困ったと思います。)
そのあと金谷社長は当社のブースにも来てくださり少し談笑をしました。
そしてギフトショー会場をあとにし福井へ帰りました。
https://www.youtube.com/watch?v=qBMrFtDTwFI
1ヶ月後にセメントさんに訪問しアセチの材料の説明をスタッフみなさんにさせて頂きました。
「アセチは結構しなる素材なんですよ」と説明した時に
ボキっと折れた事を今でもイジラれます(笑)。
その後,鯖江にもスタッフさんとお越し頂き当社の工場と当社の技術を見て頂きました。
それから、また1ヶ月あと位に東京で社長とお会いしアイデアを数点提示頂きました。
どれもやりたい商品でしたが 一番最初のページにミミカキがあったのです。
これはすごい!と。
これやりたいです!とおもわずお答えしました。
製造側からみても着眼点はさすがだなっと今でも思います。
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