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A FLORIN SPUN

2023年12月、とあるメールが届いた。
メールによれば、新しい本を書いたけれど中身はまだ教えない、とのこと。

中身が分からない本を買うような変人たちのために作られた販売ページには本の書影だけ。

それから数日。
私の元にもその本が届きました。

タイトルはA FLORIN SPUN。
著者はHector Chadwick。

中身はコイントスの結果をコントロールするテクニックとその適用例について書かれた本でした。

テクニックに関してはコインをテーブルでスピンさせる方法や、様々なキャッチの方法まで詳細に書かれており、練習をすればある程度できるようになります。
スピンする方法は仕組みも初めて知り、一つ学びになりました。

適用例に関しては3パターンの異なる演技例が紹介されています。
ここで紹介される例はあくまで例なので、著者が演じている手順ではありません。
3パターンの例の他にも、いくつかのアイデアが簡素的に紹介されています。

最後にテクニックの歴史についても書かれていますが、書かれているのは本当にこれくらいです。これで全152ページ。

Hector Chadwickの独創的な作品や考え方を期待して読むと、もしかすると肩透かしを食うかもしれませんし、既にコイントスコントロールのテクニックが身についている方やご自身で手順を考えられている方には新しい学びは少ないのかもしれません。

とはいえ、コイントスコントロールの入門書としてこれ以上の本は思い浮かびませんし、自分自身でテクニックの適用例を考えるのも楽しいです。
そして、なにしろ著者はHector Chadwickです。
読み物としても楽しく、装丁も非常に美しいので、手元に置いておくべき一冊なのは間違いありません。

Hector Chadwickの創作に関するエッセイが掲載されているTHE NEAT REVIEW ISSUE ONEも近々再販されるそうです。
こちらもご興味のある方は買ってみてはいかがでしょうか。

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