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1か月予報(11/20~12/19)

11月18日発表の1か月予報です。
北日本の季節進行は遅く、西ほど寒気の影響を受けやすいでしょう。

1.一般向け

北暖西冷

向こう1か月の気温は北日本で高く、東日本はほぼ平年並みで
西日本と沖縄・奄美は低いでしょう。
西日本と南西諸島は西周りの寒気の影響を受けやすく低温系統となる一方
北日本には南から暖かい空気が流れ込みやすくなるため高温傾向です。
特に11月下旬は北日本はかなりの高温となるため
農作物の管理に要注意です。
2週目は寒気の影響が強く、東日本も低温傾向となる可能性があります。
その後も北暖西冷の傾向が続きまが、今冬はこの傾向が強く出そうです。

北は多雨傾向

向こう1か月の降水量は東日本太平洋側と北日本で平年並みか多く
そのほかはほぼ平年並みの予想です。
北日本と東日本日本海側は平年に比べ低気圧の影響を受けやすいため
雨や雪の量が多くなる傾向にあります。
ベースの気温が高く、はじめは雨で
低気圧通過後に雪になるパターンが多くなると思われます。
標高の高い地域では積雪に要注意です。

また日照時間は北日本と西~東日本日本海側は平年並みか少なく
その他はほぼ平年並みです。
北日本と東日本日本海側の寡照は低気圧の影響
西日本日本海側は冬型による寒気の影響を受けやすいためです。
西日本では早くに冬の訪れを感じられそうです。

2.専門版

熱帯

熱帯の対流活動は期間を通してインドネシア付近で活発の予測。

200hPa速度ポテンシャル(1か月、熱帯)

上層

インドネシア付近の対流活発により下層の西風が強まることで、インド洋で850hPa流線関数の低気圧性循環偏差が強まりこの影響で南アジアで200hPa流線関数の高気圧性循環偏差となる。この波列が伝わり、日本付近は低気圧性循環偏差の予測。1か月平均では朝鮮半島や西日本付近にその偏差がみられ西谷傾向。

200hPa流線関数(1か月)

週別では1週目と3・4週目は西谷傾向。2週目はフィリピン付近の対流活動がより強く、その北西側に波列が伝わり高気圧性循環偏差を強め、1週目に比べて南アジアの高気圧性循環偏差の中心が東にずれる。これにより日本付近の低気圧性循環偏差も東にずれる。

200hPa流線関数(1週目、2週目、3・4週目)

中層

上層ジェットに対応して500hPa高度は朝鮮半島付近がトラフとなり日本付近は負偏差域。東シベリアは正偏差でリッジとなり、日本の北に正偏差域が広く分布し逆位相となる。このため、日本付近に寒冷渦が流れ込みやすく動きが非常に遅くなる。また、西谷傾向により西回り寒気が流入しやすいため西日本中心に寒気の影響を長く受ける。

500hPa高度(1か月)

下層

海面気圧はシベリアのリッジに対応して大陸で正偏差、華南も正偏差で
シベリア高気圧は南から南東への張り出しが強い。一方、日本付近は負偏差でアリューシャン低気圧は西側で強く西谷の影響で日本海に負偏差極大がみられ、西回り寒気が入りやすいことが予想される。西日本は寒気の影響でしぐれやすく、寒気の強さによっては降雪となる。

海面気圧(1か月)

また、850hPa気温は期間を通して西日本と南西諸島が負偏差。東日本が0線、北日本は北海道中心に正偏差域となり北暖西冷傾向。北日本は西谷により中層が西南西流場となるため暖湿気が流れ込みやすく高温&多雨傾向。

850hPa気温(1か月)

東日本は、2週目は偏西風南偏域の東へのずれにより負偏差域がかかり低温傾向。

850hPa気温(2週目)

まとめ

・インド洋で下層低気圧性循環偏差となり
 その北側の南アジア上層は高気圧性循環偏差に。
・その波列が日本のやや西に低気圧性循環偏差を作り西谷傾向。
・西周り寒気が入り、北暖西冷傾向となる。
・西南西流場の北日本は湿りが入りやすく多雨傾向。




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マニアック松浦(気象予報士・防災士)
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