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1か月予報(1/8~2/7)

1月6日発表の1か月予報です。
太平洋側は冬晴れが少なく、多雨傾向です。

1.一般向け

寒暖差大きい

向こう1か月の気温は北日本は平年並みか高く
その他はほぼ平年並みの予想です。
大陸の高気圧が平年と比べて弱く、寒気が流れ込みにくいため
北日本中心に高温傾向です。
西~東日本は南岸低気圧の通過が多く、太平洋側は日照があまりないことや
低気圧通過後に寒気が流れ込むタイミングはあるために
平年並みといっても、寒暖差が大きく、真冬らしい寒さの日はあるでしょう。

南岸低気圧多い

向こう1か月の日照時間は西~北日本太平洋側で平年並みか少なく
降水量は沖縄・奄美と西~北日本太平洋側で平年並みか多い予想です。
これは太平洋側で低気圧の影響を受けやすいためで、南岸低気圧の通過が多くなる可能性があります。
上空の寒気は極端に弱いわけではなく、太平洋側で大雪に見舞われることが例年よりも多くなることも考えられるため、スタッドレスなどの準備は早めにしておいた方がいいでしょう。
また、日本海側の降雪量は平年並みでしょう。

2.専門版

熱帯

熱帯の対流活動はインド洋西部付近で活発、インドネシア付近~太平洋は不活発の予測。ラニーニャに特徴的な分布ではない。

200hPa速度ポテンシャル(熱帯、1か月)

上層

1週目、インド洋西部の対流活発によりアラビア付近で200hPa流線関数が高気圧性循環偏差となり、亜熱帯ジェットの波束伝播で本州の南海上で低気圧性循環偏差となり、日本付近の偏西風は南偏傾向。

200hPa流線関数(1週目)

2週目、大陸の高気圧性循環偏差は南アジアに移り、日本の南東側で低気圧性循環偏差となる。

200hPa流線関数(2週目)

3・4週目はインド洋の対流活発域の東進がうまく表現されていない可能性を考慮する必要があるとのこと。200hPa流線関数は亜熱帯ジェット波束伝播により日本付近に高気圧性循環偏差がみられるが、北偏傾向のままいくかは微妙なところ。また、対流活発位相が東進するのであれば、低気圧性循環偏差になる可能性がある。

200hPa流線関数(3・4週目)

中層

500hPa高度の極域は負偏差で極渦が強い傾向。

500hPa高度(1か月)

1週目はアリューシャン付近にブロッキング高気圧が現れ、日本付近は西~東日本と南西諸島で負偏差。亜熱帯ジェットの波束伝播も寄与している。

500hPa高度(1週目)

2週目はブロッキング高気圧が弱まり、上層の亜熱帯ジェットの南偏位置も東によるため、日本付近は正偏差に転ずる。

500hPa高度(2週目)

3・4週目は再び日本付近は負偏差となるが、スプレッドは大きい。

500hPa高度(3・4週目)

下層

海面気圧は大陸付近で負偏差で、シベリア高気圧の勢力は弱い。

海面気圧(1か月)

また、上空のトラフの影響で、1週目は日本の南に850hPa流線関数の低気圧性循環偏差がみられる。

850hPa流線関数(1週目)

海面気圧も日本付近は負偏差で、低気圧の通過が多い。

海面気圧(1週目)

2週目は低気圧性循環偏差は1週目ほど明瞭ではないが、海面気圧でみると、北海道付近と日本の南岸付近の気圧の谷が深く、低気圧の通過が多いことを示している。

海面気圧(2週目)

3・4週目は大陸付近が正偏差となり、アリューシャン低気圧は南西側で強くなることから、日本付近は冬型が強まる可能性がある。

海面気圧(3・4週目)

850hPa気温も西~東日本と南西諸島で負偏差域がかかっている。ただし、熱帯対流活動の不確実性や中層のスプレッドの大きさを考慮すれば、低温傾向が明瞭になるかどうか判定するにはまだ早い。

850hPa気温(3・4週目)


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マニアック松浦(気象予報士・防災士)
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