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600℃の法則は当てはまるのか?

ソメイヨシノ開花の便りが全国各地で届いています。

東京ではホワイトデーに開花し

昨年に並び1953年の観測開始以来、最早の記録でした。

2月以降の記録的な高温が要因のひとつとなっていると思われます。

ただ、暖かければ単純に早くなるわけではなく

冬の寒さも重要です。

桜が咲くプロセス

桜が開花に至るには、

まず秋の間に休眠に入り、冬の寒さに一定期間さらされると

休眠打破といって目覚めます。

その後の暖かさが加わっていくことにより、開花となるわけですが

冬が暖かすぎると目覚めが悪くなるため

暖かくなっても開花が遅れるといったことがあります。

開花までの気温に法則が!

桜の開花予想をするときに、有名な公式のようなものがあります。

それが600℃の法則

2月1日以降の最高気温を積算し、

600℃に達したときに開花するという法則です。

その他2月1日以降の平均気温を積算し、400℃に達したときに開花するという400℃の法則というものもあります。

今年の東京のソメイヨシノはまさにこの600℃に達した日に開花に至り

この法則に当てはまりました。

静岡の桜にも当てはまる?

では、僕の住んでいる静岡はどうなのだろうと調べてみました。

標本木が2013年から変わったのでそこからのデータを使用しました。

すると、

ん~、600℃は大きく超えて開花している年が多いです。

平均気温も400℃を大きく超えている年が多く、

何なら600℃という年もあります。

でもよく見るとグループがあるように見えます。

冬の気温とある相関が?

前述したように、開花には冬の寒さも必要なので

冬の気温との相関を見てみましょう。

まずは積算最高気温と冬(12~2月)の平均気温で散布図を作りました。

横軸の積算気温に着目すると、650℃付近と800℃超の

2つのグループに分かれています。

なぜこのようになっているのか。

次は縦軸の冬の気温に着目してみると

0℃以下、つまり平年並みの冬か寒冬だと650℃グループ

+1℃以上の暖冬だと800℃超グループでした。

19~20年の冬は西・東日本で観測史上最も暖かい冬でした。

静岡の3か月平均気温平年差は+2.7℃で

このレベルになると積算気温は900℃近く必要となるのかもしれません。

ちなみに、2月の平均気温が高いから

単純に積算気温が増えているだけなんじゃないの?

と疑問を持ったので3月の積算気温だけでも調べてみましたが

2月からの気温と同じく2つのグループに分かれました。

暖冬になると積算気温がより多く必要だということがこれでわかりました。

冬が暖かいほど開花は遅く

また、積算気温と開花日の関係は以下となっています。

積算気温650℃グループの平均開花日は3月20日

800℃超グループは3月28日と8日間の差がありました。

13~20年の開花平均日は3月24日となっており、

暖冬になるほど開花が例年より遅れる傾向があることがわかります。

ほかの地域にこのような傾向があるのかわかりませんが、

地球温暖化が進むと、冬がそもそも比較的暖かい静岡では

冷え込みが足らず、開花がむしろ遅れていくのではないかと考えられます。

桜のもとで入学式というのが

静岡では常識ではなくなる時期が来るのでしょうか・・・

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