1か月予報(10/30~11/29)
10月28日発表の1か月予報です。
北日本では気温がかなり高くなりそうです。
1.一般向け
北ほど高温傾向
向こう1か月の気温は北日本で高く
東日本で平年並みか高い、西日本と沖縄・奄美はほぼ平年並みの予想です。
北日本では偏西風が北寄りを流れるため寒気の流れ込みが弱く
高温傾向の予測です。
10/30からの1週間は東日本も高い予想で
11/6からの1週間が北日本の高温のピークとなります。
一方、11/13からの2週間は、西から寒気が流れ込む可能性があり
西日本と沖縄・奄美はほぼ平年並みの予想ではありますが
低温傾向となる可能性があります。
急な寒さにお気を付けください。
太平洋側は多雨傾向
向こう1か月の降水量は北日本太平洋側で平年並みか多く
北日本日本海側と沖縄・奄美で平年並みか少なく
その他はほぼ平年並みの予想です。
北日本は冬型が例年より弱いため寒気の影響が小さく
日本海側は曇りや雨または雪の日が少なく
太平洋側は湿った空気が流れ込みやすくなるため多雨傾向です。
また、日照時間は東~北日本で平年並みか少なく
北日本日本海側と沖縄・奄美で平年並みか多いでしょう。
2.専門版
熱帯
200hPa速度ポテンシャルはインド洋~インドネシア付近で負偏差と対流活発
太平洋中部は正偏差で不活発の予測。
SSTの西高東低の分布が寄与しており、期間を通してこの対流活動が続くが
インド洋の対流活発が強く、SSTが次第に低くなることを考慮してか
気象庁は、対流活発域が期間後半は東にずれる見解である。
上層
200hPa流線関数はインド洋付近の対流活発が寄与して
南アジアで高気圧性循環偏差となり
北西へ波列が伝わり黄海付近を中心として
西日本は低気圧性循環偏差となり、アリューシャン付近は高気圧性循環偏差。
日本付近は西で偏西風が南偏し、東で北偏する西谷傾向。
どの期間もこの傾向だが、上述の通り対流活動の東進により
期間後半は西日本付近の偏西風南偏位置が東にずれ本州付近に来る可能性がある。
中層
500hPa高度は上層ジェットに対応し
日本中心にトラフが予測され顕著な負偏差となっている。
シベリア付近も負偏差で、アリューシャン付近は正偏差の予測。
北日本は寒気が流れ込みにくいが、西回り寒気により
西日本には寒気が入るタイミングがある。
週ごとに見ると
1週目は日本の南に負偏差
サハリンを中心として北日本は正偏差と逆位相。
西~東日本太平洋側は上空トラフの影響を長く受けるとみられる。
2週目は西~東日本、3・4週目は北日本も含めて負偏差で
後半ほど日本付近の負偏差域が広がる傾向。
段々西回りから北からの寒気流入パターンに移行するとみられる。
対流活発域の東進を考えるとこの予測は十分信頼できる。
下層
シベリアのリッジが弱いことが影響し
850hPa流線関数はシベリア付近に低気圧性循環偏差がみられ
シベリア高気圧が弱い。
一方、アリューシャン付近は上空リッジの影響で
高気圧性循環偏差がみられる。
この影響で海面気圧も大陸東部は広く負偏差
アリューシャンは正偏差で高気圧の予想。
このため北日本は例年より冬型がかなり弱い。
850hPa気温は北日本は正偏差で高温傾向となり
西回り寒気の影響で西日本から南西諸島は負偏差域となっている。
週ごとでみると
1週目は逆位相リッジとトラフが影響し
移動性高気圧は北寄りを進み、北日本は正偏差で高気圧に覆われやすく
日本の南は負偏差で気圧の谷も予測されている。
南東海上の負偏差は台風20号による影響がかなり大きい。
太平洋側は湿りや谷の影響を受けやすい。
2週目はサハリンに低気圧が予測され、北日本は暖気が流れ込みやすく
高温傾向がつづく。
関東沖には低気圧が予測されており、太平洋側は引き続き寡照傾向。
3・4週目は対流活発域の東進も影響し
リッジトラフ位置をやや東寄りに考えるため
冬型になるタイミングがあると思われる。
低温域は西日本のみにかかっているが
東~北日本も平年並みには寒気の影響を受ける可能性がある。
まとめ
・インド洋の対流活発により日本付近は西谷傾向
・北日本は低気圧に向かう暖気の影響で高温傾向
西日本は西回り寒気の影響で低温傾向。
・太平洋側は気圧の谷や湿りの影響で多雨寡照。