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1か月予報(1/29~2/27)

1月27日発表の1か月予報です。
東・北日本は特に寒さが厳しいでしょう。

1.一般向け

北は低温傾向

向こう1か月の気温は北~東日本で平年並みか低く、西日本と沖縄・奄美でほぼ平年並みの予想です。日本の東で偏西風が南に蛇行し、東日本以北で寒気の影響を受けやすいためです。

特に2/5からの1週間は全国的に低温傾向で、北陸では10年に一度レベルの寒さとなる恐れもあります。2月後半になると厳しい寒さの傾向は緩んでくるため、徐々に春めいてきそうです。

沖縄は雨多い

向こう1か月の降水量は沖縄・奄美で多く、北日本太平洋側で少ない予想です。フィリピン海付近で高気圧が強いため、その縁を回って南西諸島には湿った空気が流れ込みやすく、雨の日が多くなるためです。季節外れの大雨もあるかもしれません。北日本太平洋側で降水量が少ない傾向なのは、アリューシャン低気圧が平年よりも弱く、低気圧の影響を受けにくいためです。

2.専門版

熱帯

熱帯の対流活動は、期間を通してインド洋~太平洋西部で活発。その中で特に活発な領域は前半インド洋で、後半はインドネシア付近に移る。

200hPa速度ポテンシャル(熱帯、1か月)

上層

インド洋の対流活発により、アラビア海北部では200hPa流線関数の高気圧性循環偏差が明瞭。亜熱帯ジェット沿いの波束伝播により、東シナ海付近は高気圧性循環偏差、日本のはるか東が低気圧性循環偏差となる。

200hPa流線関数(1か月)

その傾向は期間前半の方が明瞭で、対流活発域が東進し、アラビア海付近の高気圧性循環偏差が弱まってくることが関係していると思われる。日本の東側で偏西風が南偏しやすいため、北~東日本に寒気が流れ込みやすいことが予想される。

200hPa流線関数(1週目、2週目、3・4週目)

中層

上層ジェットの蛇行と関連し、大陸南部は負偏差、日本付近は正偏差、日本のはるか東で負偏差が広がる。寒帯前線ジェット沿いの波列は、シベリア付近で正偏差で明瞭なリッジがみられ、北海道にも正偏差域がかかる。

500hPa高度(1か月)

期間後半になるにつれ、シベリア付近の正偏差域が南東側に広がり、北海道にかかる形となっており、北日本への寒気流入は後半は弱まると考えられる。

500hPa高度(1週目、2週目、3・4週目)

下層

インド洋~インドネシア付近の対流活発により、インド洋では西風、太平洋西部では東風が強まり、それに対応したインド洋の低気圧性循環偏差、フィリピン海付近の高気圧性循環偏差がつくられている。フィリピン海付近の高気圧性循環偏差は南西諸島に湿りを運ぶ役割を果たす。また、日本のはるか東には、上層トラフに対応した低気圧性循環偏差がみられる。

850hPa流線関数(1か月)

期間後半になるにつれてその偏差が小さくなるため、アリューシャン低気圧は前半ほど強い。

850hPa流線関数(1週目、2週目、3・4週目)

海面気圧は上層リッジに対応して、期間前半はシベリア付近で正偏差が大きく高気圧が強い。また、上記の低気圧性循環偏差に対応し、期間前半はアリューシャン低気圧付近は負偏差で低気圧が強いため、前半ほど冬型が強いことが予想される。

海面気圧(1週目、2週目、3・4週目)

このため、850hPa気温は、1~2週目に西~北日本付近に広く負偏差域が広がり、寒気が流れ込みやすいことを示唆している。

850hPa流線関数(1週目、2週目、3・4週目)

一方、南西諸島は前述した湿りの入りやすさや、日本の南海上の海面気圧負偏差により気圧の谷の影響を受けやすいことで、多雨傾向。気圧の谷が北東気流を強めるため、暖気は流入しにくく、気温も0線か負偏差域で高温傾向ではない。


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マニアック松浦(気象予報士・防災士)
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