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1か月予報(11/13~12/12)

11月11日発表の1か月予報です。
北日本の季節進行は遅く、南西諸島は冬の訪れが早いでしょう。

1.一般向け

北暖西冷

向こう1か月の気温は北日本で高い、東日本は平年並みか高い
西日本はほぼ平年並み、沖縄・奄美は低い予想です。
日本の西で偏西風が南に蛇行し、東で北に蛇行するため
西ほど寒気の影響を受けやすい一方で
北日本には暖気が流れ込みやすくなります。
この傾向は11月が特に顕著です。

ほぼ平年並みとなっている西日本も12月前半は低温傾向となっており
今の低温傾向が一旦緩んだ後
また急な寒さとなるので寒暖差に注意が必要です。

少雨傾向

向こう1か月の降水量は西日本と東日本太平洋側では
平年並みか少なく
その他はほぼ平年並みです。

また、西・東日本太平洋側の日照時間は平年並みか多い予想です。
例年よりも低気圧や前線の影響を受けにくいため
少雨傾向となっています。
これから紅葉の見ごろを迎える地域は
雨が少ないために紅葉の色づきに影響が出るかもしれません。
内陸の見ごろになっている地域を先に見ておくのもいいかもしれません。

2.専門向け

熱帯

熱帯の対流活動は、実況はインド洋東部が活発域の中心があり
期間後半に向けてやや東進し、インドネシア付近に進む見込み。

200hPa速度ポテンシャル(熱帯域、1か月)

上層

熱帯の対流活発に対応してインドの北に200hPa流線関数の
高気圧性循環偏差がみられ
東シナ海から西日本付近が低気圧性循環偏差となり西谷傾向が続く。

200hPa流線関数(1か月)

期間後半は対流活発域の東進に伴い、この波列も東にややずれ
東シナ海付近まで高気圧性循環偏差域がかかるようになる。
また、亜熱帯ジェットの波列により日本の南東に高気圧性循環偏差がみられる。

200hPa流線関数(1週目、2週目、3・4週目)

中層

亜熱帯、寒帯ジェットの波列が位相を合わせ
朝鮮半島から東シナ海付近にトラフを形成し負偏差域。

500hPa高度(1か月)

1週目は北海道は正偏差で2週目以降は徐々に負偏差域が北上し
負偏差域がかかる。
一方で、南西諸島は負偏差から正偏差に転ずる。
上層の波列の東へのずれが寄与しているものと考えられる。

500hPa高度(1週目、2週目、3・4週目)

下層

2週目にかけて850hPa流線関数は大陸付近で低気圧性循環偏差となっている。

850hPa流線関数(1週目、2週目)

このため海面気圧は大陸付近は負偏差となっており
シベリア高気圧は弱い。
アリューシャン低気圧も西側が負偏差で
日本付近の冬型は弱い。

海面気圧(1週目、2週目)

850hPa気温は期間を通して北日本に正偏差がかかっている。
西の上層トラフに対応して、西回り寒気が入る南西諸島~西日本は負偏差。

850hPa気温(1週目、2週目)

3・4週目は大陸付近は正偏差となりシベリア高気圧が強まる予測で
西日本も寒気の影響を強く受ける可能性がある。

850hPa気温、海面気圧(3・4週目)

また、日本の東のジェット北偏に対応して
日本の南東海上に850hPa流線関数の高気圧性循環偏差がみられ
この縁を回る暖湿流が日本の南に流れるとみられるが
降水量正偏差域は日本の南東海上に見られ
前線の位置は例年より南で、太平洋側は少雨傾向。

850hPa流線関数、降水量偏差(1か月)

まとめ

・ラニーニャ的な傾向もあるが、インド洋の対流活発の影響が前半は大きい
・西谷傾向が続き、西ほど寒気が流入しやすい。
・大陸の高気圧が前半弱く、北日本は顕著な高温傾向。
・前線位置が南寄りで、太平洋側の少雨傾向につながっている。

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