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1か月予報(12/11~1/10)

12月9日発表の1か月予報です。
12月後半は寒暖の差が大きくなりそうです。

1.一般向け

寒暖差大

向こう1か月の気温は北日本で高く
沖縄・奄美で平年並みか高く、その他はほぼ平年並みです。
北日本は高温傾向が続き、冬のレジャーへの影響が大きくなる恐れがあります。
期間を細かく見ると12/11からの1週間は全国的に高温傾向
12/18からの1週間は冬型が強まるため、寒気が流れ込みやすく低温傾向です。
つまり、暖かい冬から本格的な冬の寒さに一気に変わり寒暖の差が激しくなるため、体調の管理にお気を付けください。

まとまった雪注意

向こう1か月の降水量は西~東日本太平洋側で平年並みか少なく
その他はほぼ平年並み。
降雪量は西~北日本日本海側はほぼ平年並みの予想です。
これだけ見ると大雪になるように見えませんが
はじめは高気圧に覆われやすいため例年よりも雨や雪の日が少なくなる傾向で
12/18からの1週間は冬型が強まり日本海側には雪雲が流れ込みやすい傾向となります。
1か月全体で平年並みということは、バランスを取るとなると
日本海側はこの週に大雪になる恐れがあります。
特に12月は日本海の水温がまだ高く、寒気がそれほど強くなくても雪の量が多くなる傾向があります。
しばらく冬らしくない天候が続きますが、油断せず雪への備えはしておきましょう。

また、太平洋側は高気圧に覆われやすい傾向から、冬型の影響を強く受ける傾向となるため、平年に比べて晴れる日が多く、日照時間は平年並みか多い予想です。
空気が乾燥する日が多くなりそうなので、火の元・火の取り扱いには十分にお気を付けください。

2.専門版

熱帯

200hPa速度ポテンシャル(熱帯、1ヶ月)

熱帯の対流活動は、インドネシア付近の対流活発域が1週目に太平洋中部
2週目以降は南米付近に進む。また、3週目以降はアフリカ付近も活発。
一方、インド洋〜太平洋は不活発。

上層

200hPa流線関数(1ヶ月)

インド洋の不活発が影響し、ユーラシア大陸は低気圧性循環偏差。
また日本の南東の日付変更線付近も不活発の影響を受けて低気圧性循環偏差。
その北側には高気圧性循環偏差が見られる。
全体的な傾向としては亜熱帯ジェットは大陸で南偏、日本の東で北偏傾向。

200hPa流線関数(1週目)

ただし、1週目はインド洋が対流活発のため、華南付近に高気圧性循環偏差が見られ、日本の西で北偏傾向。

中層

500hPa高度(1ヶ月)

500hPa高度はジェット南偏に対応して、大陸で負偏差、日本の東で正偏差。
北からの寒気の流れ込みは弱い傾向。

500hPa高度(2週目)

ただし2週目は負偏差域は大陸東部から日本付近と東にずれ、寒気の流れ込みが強まる。熱帯の対流活発位相が東進することが影響している可能性がある。

下層

850hPa流線関数(1ヶ月)

850hPa流線関数は大陸付近は広く負偏差。

海面気圧(1ヶ月)

これに伴い海面気圧は大陸付近は負偏差で、シベリア高気圧の勢力は弱い。
このため冬型は基本的には弱く、寒気の流れ込みが弱い。

850hPa気温(1ヶ月)

このため北日本中心に850hPa気温の正偏差域がかかり高温傾向。

850hPa流線関数(1週目)

1週目は日本付近に高気圧性循環偏差が見られ
北からの寒気は流れ込みにくい。

850hPa気温(1週目)

850hPa気温は全国的に正偏差で顕著な高温傾向。

海面気圧(2週目)

2週目は大陸は正偏差で、アリューシャン低気圧も西側中心に負偏差で冬型が強まる。上空も寒気が流れ込むことを考慮すると強い寒気が流れ込むことも考えられる。

850hPa気温(2週目)

850hPa気温は日本付近は負偏差となり、北日本も含めて低温傾向。
1週目と2週目の寒暖差が非常に大きくなる。
3・4週目は500hPaのスプレッドが大きいため、予報精度に難あり。

まとめ

・対流活発位相が太平洋から南米へ東進。
・それに伴い日本の東のジェット北偏域が1週目から2週目で東にずれる。
・500hPa高度が2週目に日本付近で深いトラフ
・1週目は大陸東部でのリッジが日本の南の高気圧を形成。
・1週目は歓喜の流れ込み弱く高温傾向。
・2週目は冬型が強まり低温傾向

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マニアック松浦(気象予報士・防災士)
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