見出し画像

1か月予報(11/27~12/26)

11月25日発表の1か月予報です。
西ほど寒気が流れ込みやすく、冬の寒さが厳しくなります。

1.一般向け

西回り寒気

向こう1か月の気温は西日本と沖縄・奄美で低く
北日本で高く、東日本はほぼ平年並みです。
ラニーニャ等の影響で寒気が西回りで入りやすく
北暖西冷となります。
西日本や沖縄は暖房や冬物が多く活躍するでしょう。
また、12/4からの1週間は冬型となりやすく
東日本も平年よりも低い気温となる可能性がやや高くなっています。

太平洋側晴れ多い

向こう1か月の日照時間は北日本と西~東日本日本海側、沖縄・奄美で平年並みか少なく、西~東日本太平洋側は平年並みか多い予想です。
冬型になりやすいことで、日本海側は平年と比べ曇りや雨、雪の日が多くなります。一方、太平洋側は空っ風が入るため冬晴れの日が多くなるでしょう。空気が乾燥しやすいので火の取り扱いには十分に注意しましょう。

大雪注意

向こう1か月の降雪量は北日本は平年並みか少なく、東日本日本海側はほぼ平年並みです。北日本は気温が高く、雪よりも雨の日が多くなるため少雪傾向です。また予報期間になっていない西日本日本海側ですが降水量は平年並みか多い予想となっており、平年に比べ気温が低いことを考慮すれば山地を中心に雪となり、大雪となる恐れがあります。雪への備えはいつもよりも早めに、万全に行いましょう。

2.専門版

熱帯

熱帯の対流活動は期間を通してインド洋西部~インドネシア付近と南米で活発、アフリカと日付変更線付近で不活発。

200hPa速度ポテンシャル(1か月)

インド洋西部は期間後半になるにつれ降水量の正偏差が小さくなり、対流活動弱まる傾向。

降水量偏差(1週目、2週目、3・4週目)
200hPa速度ポテンシャル(1週目、2週目、3・4週目)

上層

熱帯の対流活動に対応してアフリカ北部で低気圧性循環偏差
そこからの波列で日本付近は西日本中心が低気圧性循環偏差で
偏西風は西日本付近で南偏傾向。

200hPa流線関数(1か月)

1週目はヨーロッパの低気圧性循環偏差からの寒帯ジェットの波列で
オホーツク海が高気圧性循環偏差となり北日本は偏西風北偏傾向。
また西日本の低気圧性循環偏差が強い。

200hPa流線関数(1週目)

2週目以降はインド洋西部の対流活動の弱化により南アジアの高気圧性循環偏差が弱まるため西日本の低気圧性循環偏差も弱まる。

200hPa流線関数(2週目、3・4週目)

中層

ヨーロッパが負偏差で、波列が伝わり西日本付近は負偏差。
千島の東が正偏差となり、北海道の一部にかかる。
寒気は西回りで入りやすく、北日本は暖気に覆われやすい。

500hPa高度(1か月)

下層

850hPa流線関数はインド洋~インドネシアの対流活発に対応して低気圧性循環偏差。北東への波束伝播で中国付近は高気圧性循環偏差。

850hPa流線関数(1か月)

このため海面気圧は大陸で正偏差となり、シベリア高気圧の勢力が強い。華南から南西諸島にかけて正偏差極大がみられ、特に南東側への張り出しが強い。またアリューシャン低気圧は西側で負偏差となり、西で強く、冬型も西日本中心に強くなる。

海面気圧(1か月)

それにより850hPa気温は南西諸島と西日本は負偏差。

850hPa気温(1か月)

北日本は平年より西で強い低気圧の影響と上層リッジの影響が重なり、1週目中心に顕著な高温偏差。

850hPa気温(1週目)

2週目は日本の南東が気圧の谷となっており、下層寒気の引き込みが強まる可能性があり、T850の負偏差域が東日本までかかっている。

海面気圧(2週目)
850hPa気温(2週目)

まとめ

・インド洋~インドネシアが対流活発
・亜熱帯ジェットに寄与し西日本中心に偏西風南偏。
・シベリア高気圧は平年より強く、南東への張り出しが特に強い。
・西日本や南西諸島に寒気が流れ込みやすい。
・低気圧の影響や偏西風北偏の影響を受ける北日本は
 1週目中心に顕著な高温。



おもしろい、少しでもお役に立ったならよろしければサポートをお願いいたします!気象業務への活動費にさせて頂きますm(_ _)m