見出し画像

1ヶ月予報(12/18~1/17)

12月16日発表の1ヶ月予報です。
一足早く真冬並みの寒さとなりそうです。

1.一般向け

寒波襲来

向こう1ヶ月の気温は北・西日本で平年より低く、東日本と沖縄・奄美で平年並みか低い予想です。
日本付近で偏西風が南に蛇行するため、全国的に寒気の影響を受けやすく、低温傾向です。
これまで暖冬傾向が続いた北日本も一転して低温傾向となるため、ようやくこの時季らしい寒さとなるでしょう。
クリスマスから大晦日までの1週間は、特に冬型が強まるため、クリスマス寒波か、年末寒波が襲来する可能性が高く、暖房が活躍するでしょう。

大雪警戒

向こう1ヶ月の日照時間は、西〜北日本の日本海側と沖縄・奄美で平年並みか少なく、西〜東日本太平洋側で平年並みか多い予想です。
これは冬型気圧配置が強まりやすいことを示しています。
つまりは、日本海側地域では雪雲が流れ込みやすくなります。
太平洋側では乾燥に要注意です。

そして、降雪量は北〜東日本日本海側では多く、西日本日本海側では平年並みか多い予想で、多雪傾向です。
強い寒気が流れ込みやすい状況下で、日本海の海面水温が非常に高いため、大雪に警戒が必要です。冬型が特に強まる年末付近は、交通障害などをもたらすほどの雪の降り方になる恐れもあり、雪に対する万全な備えが必要になるでしょう。
年末に向けての買い出し等は早めにしておきましょう。

2.専門版

熱帯

200hPa速度ポテンシャル(1ヶ月、熱帯)

熱帯の対流活動は、実況は太平洋中部で活発だが、その後東進し、南米から大西洋で活発の予測。インド洋は前半は不活発だが、後半は活発になる予測。

上層

200hPa流線関数(1ヶ月)

1ヶ月平均ではインド北部で低気圧性循環偏差で、亜熱帯ジェットの波束伝播により日本付近も低気圧性循環偏差で偏西風は南偏傾向。

200hPa流線関数(1週目)

1週目は華南付近の高気圧性循環偏差が明瞭で、低気圧性循環偏差の中心は日本の東。

200hPa流線関数(2週目、3・4週目)

2週目以降はインド洋の対流活発が次第に明瞭となるため、インド北部の低気圧性循環偏差の中心が西にずれてくる。これに伴い、日本付近は期間後半に向かうほど低気圧性循環偏差が明瞭になってくる。

中層

500hPa高度(1ヶ月)

500hPa高度は北極付近は正偏差で負のAO。これと亜熱帯ジェットの南偏の影響も加わり、日本付近は負偏差で寒気が流れ込みやすい。

500hPa高度(2週目、3・4週目)

また、2週目以降はシベリア付近のリッジが明瞭。

下層

850hPa流線関数(1ヶ月)

850hPa流線関数はインドネシア付近は高気圧性循環偏差。これは対流不活発に寄与していると思われる。

海面気圧(1ヶ月)

北東へのPJパターンの波束伝播や上層ジェットの蛇行にも起因し、日本付近は北日本中心に低気圧性循環偏差。

850hPa気温(1ヶ月)

これにより、海面気圧では大陸から日本の東にかけて負偏差で、アリューシャン低気圧は南西側で強い。北日本付近は負偏差極大もあり、低気圧の影響を受けやすい。

海面気圧(2週目、3・4週目)

また、2週目以降は上層リッジの顕在化が寄与し、大陸付近は正偏差で、この期間特に冬型が強い。

850hPa気温(2週目、3・4週目)

これらの影響で、850hPa気温は期間を通して日本付近は負偏差で低温傾向。
冬型が強い2週目の低温傾向が顕著。
3・4週目は北日本は正偏差域で、低温傾向は東日本以西が中心。
期間後半は、ジェット南偏域が西にずれていくため、西回りで寒気が入る可能性が高まるため、この傾向が出ているものとみられるが、中層のスプレッドが大きく、北日本が高温傾向に転ずるか、低温傾向が続くかは様子を見た方が良さそう。

SST(12/13-14)

雪の傾向に関しては、日本海のSSTが高いことを考慮し、前半を中心に多雪となる恐れが高いと見る。



いいなと思ったら応援しよう!

マニアック松浦(気象予報士・防災士)
おもしろい、少しでもお役に立ったならよろしければサポートをお願いいたします!気象業務への活動費にさせて頂きますm(_ _)m