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清水白桃の1日 #2

さて、桃も買い込み、
もう帰るよね、と思ったのに、
夫が「鬼ノ城を攻めてから帰ろう」と言う。
ニッポン城めぐり(というスマホゲーム)で
鬼ノ城がまた取れてないのだ。
いい機会だから近くに行ってみようかと
車を走らせていると、警告灯がついていることに気付いた。

「なんか変なマークついてるで」
「え」

急いで近くのローソンに車を止めて
説明書を読む。
点灯しているのはエキゾースト警告灯だ。
これやばくない?
排気ガスの質が低下してるって何?
いろいろやっても消えないので、
ディーラーの担当者にメールすると、
お近くのディーラーで見てもらってくれとのこと。

最寄りのディーラーはここから10kmほど。
今から行けばなんとか見てもらえるか。
てか警告灯出てるのに10km走っても大丈夫なんかな。
早速車を出す。

「鬼ノ城もうちょっとやったのに…」
ポツリと夫がつぶやく。
そんなこと言っとる場合かーーー!

ナビに翻弄されながら、
やっと辿り着いた初めてのディーラー。
事情を説明すると、
緊急のようなので、と対応してくれることとなった。

車を見てもらい、
親切なスタッフから説明を受ける。
スパークプラグを交換した方がいいとのこと。
見積もりどん。

33,000円ですとーーーーー!!?

私たちの頭の中を
JAで見た贈答用清水白桃35,000円が駆け抜けて行った。
しかしながら交換しないと
広島まで帰るには不安だ。

「し、しょうがないですね。お願いします」
夫が心持ち小さな声で言う。
作業を待っている間は二人とも遠い目になっていた。
出してくれたオレンジジュースが心にしみる。

「見積もり、鼻が出そうになったわ」
「鼻ならええやん。オレは鼻血や」
なんなんその微妙なマウント。

無事作業を終えて、
無事支払いも済ませ、
親切なスタッフに見送られて帰路に着く。
急に飛び込んだ客にいち早く対応してくれ、
こちらのディーラーには感謝しかない。


「夕焼け空がキレイやなぁ」

夫の寂しげな声が西に向かう高速道路に響く。
高い清水白桃になった1日であった。

ということで今回の戦利品。
左と真ん中が500円。右は1300円。

(了)










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