喪服の話
前回お通夜の話をしたので、
この機会に喪服の話をしてみようと思う。
この度、お通夜に参列するにあたり、
夫は久しぶりに喪服を出した。
結婚した時に、やっぱり持っておいた方がいいのでは、とふたりで相談して買った喪服は、
この30年の間になんと4回しか着ていない。
バブルが弾けて少しした頃に買ったその喪服は
ダブルの肩パッド入りのジャケットだ。
せめてシングルにしておけばよかったのでは、
と思うけど
夫は「一周回って今こんなジャケット流行ってきたんよ!」とあまり気にしていないようだ。
夫はスマホの保存画面がほぼ服というレベルの
服好きなので、本人がそれでいいなら私は何も言うことはない。
しかもズボンがアジャスター付きなので
体型も気にしなくてよい。
(30年前のアジャスターは重いそうだ)
案外良いものを買ったのかもしれないと思った。
それに対して私の方だが、
今の仕事に就くまでは
ほとんど参列することのなかったご葬儀に
今や年に数回は参列する。
(コロナ禍になって家族葬が増えたので
これでも大分減った)
しかも太ったり痩せたりする体型なので、
喪服は9号から13号まで、実に4着持っている。
デザインも全然違うので、気分と体型に合わせて
選んではいるのだが、最近は
結婚する時に買った9号の喪服が
痩せて再び着られるようになったので
無駄にならずよかったなと思う。
30年前のものとは言え
とても気に入っているデザインなので、
あの人若ぶりな喪服着て、とか思われても平気だ。
もちろん肩パッドは外した。
(若ぶりとは広島弁で若く見えるとか若作りとか若いふりをしているという意味です。魚じゃない。)
喪服の際には、パールのネックレスにイヤリングを着けるのだが、式の最中ずっとイヤリングが落ちないか気になってしょうがなかったので、最近やっとピアスを買った。普段にも使おうと思う。
他人の喪服とかあまりしっかり見ないので
今の時代、そこまで気にすることはないのではと
思ったりするけれど
時々、靴がミュールとかスニーカーとか、
あるいは全くの普段着で来たりとか
ちょっとびっくりするような方もいらっしゃるので、式ということもあり、
やっぱりある程度のマナーって
あってもいいのかな、と考える。
しかし故人の気持ちになったら
葬儀に来てくれるだけで、嬉しいのかもしれない。
(了)
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