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我が家の庭の風景 part.150「風向き」

 雪の予報とともに雷注意報が出た。霙が降るのかなと思っていたら、午前中晴れた。小雪がちらつく晴れの予報。午後から湿っぽい雪が降って積もらないうちに止んだ。予報通り天気がよくて雪が降っていたら、「狐の嫁入り」ではなくなんと云うのだろうか。時期的には「春が近い」から狸の嫁入りだろうか。午前中、山の稜線を隠すような長く白い雲が近くてほどほど遠いように見えた。

 雪が降る前は、風が強い。立春から春分までの冬から春の移行期に一際強く吹く風が春一番と呼ばれる。町の端の山まで雲を吹き飛ばす風は冷たさではなく春を運んでくるのだ。風のせいで冷たいのではないのだろう。元々冷たい空気がそこにあり、それを追いやってくれる風を冷たいと思うのは季節に対して何という無理解であることか。

 世間では、今、冷たい風が吹くという。しかし、それは間違いだ。盗人猛々しい白々しい空気が元々あり、その空気を入れ替えようと風を吹かせる人たちに悪気はない。余計に世間の冷たさを感じても、冷たい空気は元々あって辛辣な言葉でその空気を変えようと思う人たちの言動は正義感ゆえに起こっているのだ。

 まぜっかえさないでほしいと思う人もいるだろう。よく知らないことによく知らない人が首を突っ込まないでほしいだろう。しかし、風向きではなくそこの空気を変えるには新しい空気にする風が必要ではないだろうか。

 冷たい空気を孕む風に身を切られるような思いがする。けれども、それから春が来るのだ。風は何が吹かせているか。どこから風が吹いているのか。ずっと冬ではいられない。

 朝晩、氷点下の日は少なくなってきた。感じる風は本当に冷たいだろうか。風が本当に冷たくても、強風は山の際まで厚い雲を吹き飛ばす。
 北陸では、史上最も早い春一番が吹いたという。しかし、積雪も相当あるようだ。

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