俳句10句よんでみた part.67 「夏シャツ」
私はこれまで雨が好きでした。雨の日に頭痛がひどくなろうとも、体が気怠くなろうとも雨音が好きでした。蛙の鳴き声も程度によりますが、心地よいと思っています。
しかし、猫を飼って3年目。考えが変わってきました。三毛のセミ猫が雨の日に体調が悪そうだからです。
ずっと一緒の部屋にいてくれても、いつもより動き回らないのは嬉しくありません。前はちょっとこんな日もあっていいと思っていましたが、ずっと私の部屋に入り浸っているとこれでいいのかなと疑問を覚えてきました。
先日つい言ってしまったのです。
「早く夏が終わって、秋と春がゆっくり過ぎればいいね」
早く猛暑が終わって過ごしやすい気候になり、楽しく出かけられるようになりたい。
時々どうしようもなく、外に出たくなる時があります。しかし、今のところは篭もりきりです。
山間地は、冬の寒さは厳しく、夏の暑さはもっと厳しいです。特に7月の冒頭は大雨で、その後も偶の晴れの日には、30度超えの気温の中、異様な湿度でクーラーをつけていても過ごしにくい日が続きました。
決めていたのです。7月の冒頭に大雨を見たときに、なるべく庭作業はするまいと。
しかし、今年はなぜか体調が悪いのに、ふと庭に出てしまいます。窓辺で猫が見ていてくれるとどうしても30分以上張り切ってしまうようです。午前中にすでに摂氏20度超え、湿度が高く、たった5分で汗が止まらなくなりました。
終わらない草むしり。
早々に切り上げても汗びっしょりで、すぐにシャワーを浴びなければなりません。湿った土が草を抜くたびに顔にかかり、服の隙間に入りこみます。
その情景を俳句によみたかったのですが、無理でした。
単純な季語って実は難しいんですかね。
今回は本当に思い浮かびませんでした。
夏シャツを幾枚か軽装旅
速乾シャツ夏山を行く日和かな
ハレもケも浴衣の下にシャツ一枚
一人庭耕す夏シャツは青し
膝に猫ぬくぬくとほつれた夏シャツ
問題の山積みの里一人夏シャツ
夏シャツのポケットにペン滲む赤
選んであげるといふ人の居て夏シャツ
あゝそろそろ着たい黄縞の夏シャツ
夏シャツにフレーバーティーの香のほのか
夏シャツのバタバタとする異常気象