【詩】金色擬態

※歌詞風？？？

期待外れじゃない
期待なんてされてなかった
割り振られた役割のない人に生まれた
白くなくて黒くなくて透明でもない存在
自分を消せなくて他人を引き立たせもしない
太陽みたいに風みたいに
温めはしないし、冷やしたりもしない
何かであるかのように見せかけて
誰かであるように真似をして
どんな服を着ていいかわからず
周囲の色を纏って何かに擬態する
誰かを彩ることはない
誰かにそっくりではない
見破られ続けるわたし
悪目立ちしている
反射している
趣味の悪い金色だ

わかってはいる
悩んではいない
諦めている
辛いわけじゃない
愉しくはない
悩んではいるかもしれない
いつの間にか歯を食いしばっている

黙ってはいる
やる気はない
諦めている
考えてないわけじゃない
罵倒したくはない
苦しんではいるかもしれない
いつの間にか歯を食いしばっている

期待はずれじゃない
期待なんてされてなかった
存在するから存在している
分かち合えない
語り合えない
笑えない
泣けない
でも、感情はある
ただその感情の行き場がない
贋金では何も買えない
等価交換できない存在