私が理科教員になるまで(5)〜教育実習・教員採用試験・卒論作成〜
はじめに
このシリーズの記事もラスト。
2つ目の大学に編入したはいいものの、苦労の連続。
お前は一体何しとんじゃ?!と言われるような毎日を過ごしていた。
授業について行けずに苦労したこともあった。
しかも、この時に家計が急変した。
恥ずかしい話、授業料の支払いもままならぬこともあった。
そんな訳で、授業とゼミと塾講師のアルバイトで毎日パンパンの日々が続いた。
まるで薄氷を踏むような思いで学生生活を過ごしていた。
塾でのアルバイト
この大学に合格・入学が決まってすぐ、塾で個別指導の講師&事務作業のアルバイトをすることになった。
私の場合、主に高校の数学I・Aを担当していた。
また、小中学生の算数・理科なども担当した。
しかし、生徒さんとの距離感が掴めず、他のスタッフや生徒さんにかなりご迷惑をおかけいていた。
それでも、皆様のおかげで大学を卒業するまでアルバイトを続けられたことに、今でも感謝している。
先ほど家計が急変したと綴ったが、学費を稼ぐために、就活よりもどうしても目先のアルバイトを優先しなければならず、就活がままならなかった。
情けない話、こういったこともあって大学での勉強に身が入らないことがしばしばあった。
教育実習
それでも教職は諦めなかった。
4年生になって、何とか教育実習もさせていただいた。
指導教官は私の高校時代の化学の先生。
私が担当した授業の単元は、化学反応式の書き方と量的関係。
板書の字には自信があったものの、板書の配列が無計画だと指導教官に言われる有様。
厳しいお叱りを受けたことは数知れず。
生徒と接するのも気が引けた。
生徒に避けられたらどないしよか。
プレッシャーで授業準備ができず、実習生控室で固まったこともあった。
逃げ出したい・・・とも思った。
教育実習が始まってちょうど1週間経った日のこと。
帰りのHRが終わり、生徒全員が帰って教室には誰もいなくなった。
この日も私は指導教官にお叱りを受けて落ち込んだ。
そんなこともあり、椅子に座って1人窓の外をボーッと眺めていた。
それでふと気づいたら、自分が授業を担当していたクラスの2−3人の生徒に見られていた。
そして彼らから言われたこと。
「先生、疲れてる?」
「しんどいよね」
「でも、オレらのために一生懸命やってるのわかるから頑張ってよ」
彼らから労られ、励まされた。
その後、家に帰って号泣した。
研究授業のための指導案作成にも苦労した。
それでも何とか2週間の実習を終えられた。
それから実際に教員として化学の授業をする際、この単元を教えるときは無意識に力が入っている。
教員採用試験
編入してからの状況を考えると、教員に絞って就活するしかなかった。
夏場から本格的に採用試験が始まった。
私は私学を中心に応募したが、書類審査でことごとく落ちた。
それでも何とか受験できたのは、ブラックと言われているところや、田舎にある小規模の学校。
筆記試験ではボロボロ。
アルバイト先の塾のスタッフの方にもご指導いただいたが、模擬授業もままならず。
それでもブラック学校の内定を取れていたが、行くのが怖かった。
しかし、某私立高校で常勤講師(一般企業でいうところの契約社員)の内定が取れ、就職するに至った。
実はこの学校も筆記試験・模擬授業はボロボロだったものの、私の内定については裏でいろいろな方のご協力があったお陰だったとか。
苦悩した卒論作成
私の就職先が決まったのは11月末。
それからようやく卒論に取り掛かり始めた。
しかし、書き上げるには時間が少ない。
そんな中、ゼミの教授&助手の先生方と検討し決まったのが、環境事故をテーマにしたものだった。
私が学生だった当時、RDF(ごみ固形燃料)というものが話題になっていた。
そのRDFを使って発電を行う試みがあったが、爆発事故が起こった。
こんなこともあって、この発電所は現在は閉鎖されている。
この爆発事故の原因は、RDF自体が生ごみから生成された燃料で、そこについていた微生物の発酵によって多量の熱が生じたからだと考えられている。
私の卒論では、その背景として、RDFを管理する上でのガイドラインが決まっていなかった結果、杜撰な管理に至ったのではないかということを述べた。
実はこの時、家計の問題で精神的に張り詰めていた。
そのせいだといえば言い訳になってしまうが、文章が書けない時期もあった。
怖くてゼミ室に顔を出せなくなっていた。
それでもゼミの教授・助手の先生の叱咤激励を受けながら、何とか完成には漕ぎつけた。
しかし、中身はグダグダなまま終わった。
本来だったら書き直さなければならなかったが、すでに気力が尽き、抜け殻になっていた。
そうこうしているうちに大学を卒業し、就職に至った。
編入してから思ったことをつらつらと
何だか長々とした苦労自慢になってしまった。
そんなつもりはないんだけどね。
グダグダな学生生活を送っていたことをただただ反省。
「大学時代にもっと勉強しておけばよかった」
これは私の周りでよく言われている。
私もそう思うことがある。
でも、口にしないようにしている。
ここからがスタートラインだと思うからだ。
今からでも学び直せばいいからだ。
といったも、私は職業柄、否が応でも学び直さなければならないということもあるし。
偉そうな言い方になるが、学生時代を振り返って言えること。
大学にはちゃんと通って、ちゃんと勉強しろ
大学時代の勉強は、これから社会でいろいろなことを学ぶ上での土台になる
大学時代に磨くことは、自ら学び、考えるという姿勢
これは大学時代の私自身の反省を込めて綴っている。
最後に
それでも何か研究は続けたい。
生ゴミ堆肥で農作業をしたい。
科学史絡みで論文を1本書きたい。
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