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高校と外部機関との連携

【1】私が携わったSPPの活動

2013年度に、私はその時赴任していた学校で、高大連携事業の企画・運営を担当していました。
この時期といえば、文部科学省がSSH(スーパーサイエンスハイスクール)・SPP(サイエンスバートナーシッププロジェクト)というように、理数教育の充実化をはかる事業が打ち出されていました。
それにあやかり、私が赴任していたでは三重大学生物資源学部・食品資源工学研究室と連携し、SPPを実施することが決まりました。
研究室こそ違うものの、私はこの学部のOBということで、SPP(高大連携事業)担当として指名されたわけでございます。

SPPの講座は当時の高校2年生の理系の生徒で、テーマは「食品廃棄物からバイオエタノールを作る」というものでした。
現在まで食品廃棄物は大きな問題となっています。
また現在まで、世界各地でバイオエタノールの製造が進められています。
SPPの実施期間中、生徒・教員がそろって三重大学へ赴きました。
そこではコンビニのおにぎりを微生物で発酵させて、そこからエタノールを作る実験をしながら、食品廃棄物の有効利用の一例を生徒に実感してもらいました。
これをきっかけに、廃棄物の有効活用に関心を高め、探究する姿勢を生徒に身につけてもらおうと考えていました。
その後、このときのレポート作成と体験発表会を行いました。
ちなみに、これがきっかけかどうかわかりませんが、このときの参加者のうち、5名ほどが生物資源学部に入学したとのことです。

【2】外部機関との連携の留意点

実際、先述のSPPに参加していた生徒は楽しんでいたようです。
(一番楽しんでいたのは私自身かもしれませんが^ ^;)
とはいえ、このときから、外部機関との連携にはどういう意義があるのかいろいろ考えております。
一言でまとめると、学校での授業内容について「間近で実感してもらうこと」だと思います。
学校で扱う教科書に沿って授業をしているわけですが、その中で私自身に実感がなく、紹介程度あるいは空虚な説明にならざるを得ないところや説明しきれないところが度々あります。
ひょっとしたら、このメールをご覧になっている先生方の中にも、私みたいな思いをされたことがあるのではありませんでしょうか。
私が思いつくところを例にすると、私達も見たことがないような無機物質や有機化合物の製法・性質、学校ではとても出来ないような実験、物質の工業的な製造法、天体の運動などがあたるのではないでしょうか。
そういったところを間近で実感し、学びを深めるところに外部機関との連携が意義があると個人的には思います。
そもそも、生徒にとっても教員にとっても校外での学習は楽しいものですしね。

ただ、現実は学びを深めるというところにまで至らず、学校内での「恒例行事」「イベント」とで終わってしまっている学校もあります。
これはその学校職員の意識に大きな問題があるのではないかと思います。
それでは、せっかくご協力いただいている外部機関の皆様に対して申し訳ない。
連携する目的と求めたい成果をはっきりさせることが大事なのではないでしょうか。

といったことを、学校職員の立場で述べさせていただきました。

【余談】

愛知県では学校の枠を超えて、複数の私学の教員有志が集まって運営する「愛知サマーセミナー」というものがございます。
これは1つの学校で教員だけでなく市民の方も講師となり、多種多様なセミナーを無料で開いてもらうイベントです。
私も自分が講師となったり、市民の方や大学教授をお招きし、講座をプロデュースしたこともございます。
ちなみに、外部機関の方が自ら学校との連携されたいと思われ、このサマーセミナーで講座を開いたことをきっかけに、実際にそれが叶ったという例もございます。


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