見出し画像

日記 20240715MON

海の日。
カイコは埼玉に海が無いといふ。

我が埼玉は海なし県である。
小学校高学年の遠足で鎌倉に行き、そのとき初めて海を見た、という同級生がいたことなど思い出す。私自身についていえば、母が四国の出身だったため、海には馴染みというか、縁がある方だった。

私にとっての海、といえば瀬戸内海に他ならない。毎年のことではなかったけれども、夏休みに母の実家へ行ったのは楽しい思い出である。
伯父や従兄弟たちは夜な夜な海釣り(あくまで趣味)に出かけ、スーパーでは見たことのない、とても美味しい魚を釣ってくる。煮ても焼いても美味しい。それ専用の冷蔵庫があった。食卓に大皿でドンと出て来る海老。シャコはちょっと怖かった。誰かが剥いてお皿にのせてくれる。美味しい。でも、やっぱりちょっと怖い。

泳ぎに行けば、伯父が浮輪を引っ張って、どんどん深い方へ、大人も足のつかないような深いところへ連れて行ってくれた。怖くて楽しくて。お気に入りの、赤と白のしましまの浮輪。足裏を火傷しそうな熱い砂。早く海に戻りたくて、長く感じた休憩時間。暑気をしないように、といって必ず食べさせられる梅干し。

あぁ、いいなぁ、海…!
やっぱり瀬戸内海がいいな。
行く予定がなくても、毎年必ずガイドブックを更新している。空想の旅に出る。橋を渡る、島を巡る。インスタで友近さんが紹介しているのを見てから、ずっと同じもの。今年で4年目になった。4冊、本棚に並んでいる。

海にまつわる記憶は様々あるけれど、子供の頃の優しい思い出には敵わない。あの遠い夏の1日に、すっぽり入り込んでみたいなぁ、と思うことがある。叶わぬことであるけれど。

記憶の海を懐かしむ、そんな海の日だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?