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ゲーム業界で年収1000万は可能?転職と年収の関係、注目の外資系

今日は、ゲーム開発会社における年収とキャリア形成についてお話ししたいと思います。
僕自身、マネージャー業務を経験する中で、採用面接などにも携わってきました。とくに中途採用で多くの候補者とお会いし、またエージェントからもさまざまな情報を得る機会がありました。
そのような経験を通じて、この業界の年収相場がどのようになっているのか、ある程度把握できたと考えています。

今回は、大手ゲーム開発会社の年功序列型の仕組みや、中小・新興企業の給与事情外資系企業がもたらすインパクトなどに触れながら、年収アップのヒントをまとめていきたいと思います。



大手ゲーム会社の給与相場

まず、日本の大手ゲーム会社の特徴として、新卒採用を多く行い、年功序列型で昇給していくスタイルが多いと感じています。
新卒の場合、1年目の給料は4月からの支給なので、2年目の年収を基準に見るのが分かりやすいです。
最大手であれば、2年目で400万~600万円
準大手であれば、2年目で300万~450万円
くらいが相場かと思います。

中には、そこから評価によって早めに大きく昇給する人もいますが、一般的にはゆるやかに年収が上がるイメージです。

30歳前後になると、大手であれば500万~600万円くらい。
評価が高い人は700万~800万円に到達していることもあります。
私が見てきた限り、30歳で400万円台というのはあまり聞いたことがないですね。
大手であれば最低でも500万円以上は出ていると考えています。

40歳前後でリーダー職やマネージャー職になれば、1000万円超えという方も珍しくないです。
ただし、マネージャーにならない場合は、同年代で700万~800万円あたりに落ち着く人が多い印象を持っています。

また、残業代が支給されるかどうかで年収には差が出ます。
裁量労働制年俸制を導入している会社の場合は、残業代が出ないケースもありますが、
きちんと残業代が出る会社で1日2時間ほど残業を続けると、年収が80万~120万円程度上乗せされる場合もあります。
たとえば30歳で基本年収600万円の人が毎日2時間残業していれば、トータルで700万円前後になるイメージです。


中小・新興企業のリアルな実態

一方で、中小企業やベンチャー系の会社では、給与テーブルがそもそも存在しない場合や、社長の判断一つで給与が決まることも多いようです。
結果として、同じような職種・年齢でも年収に大きな幅が生まれやすいです。
僕のすごく優秀な知り合いは、新卒でいきなり1000万円のオファーもらっていました。また、30歳の若さでマネージャーに抜擢されて、1200万円まで上がったケースも聞きました。

また、ミドルウェア開発やハードウェア寄りの事業を行う会社では、機械学習エンジニア、グラフィックスのスペシャリストなどの専門性の高い職種を高い報酬で採用していることがあります。
中には、新卒でも1000万~1200万円を提示している企業がある、という話を、エージェントから聞いたことがあります。
ただし、そういった企業は数が多いわけではないですし、非常に高い専門性が要求されますので、新卒で入社するのはとてもハードルが高いです。トップレベルの大学で国際学会に論文を出すレベルの人に用意される、特別なポジションという印象です。


年収を上げる近道は「転職」

「年収をもっと上げたい」と思ったとき、最も効果的だと感じるのはやはり転職です。
ゲーム業界に限らず、一般的に、転職すれば5~15%程度は年収アップするケースが多いです。
たとえば、今年収600万円の方なら、650万~700万円程度のオファーをもらえる可能性があります。

そもそも企業が中途を採用するときは、自社にない別のノウハウを持ち込んでほしいという期待があります。
他社で実績のある人材や、売れるタイトルを経験した人などは、企業にとってとても魅力的なんですね。
結果として、同じ年齢でも「中途のほうが年収が高い」ということがよく起こるのだと思います。


外資系企業がもたらすインパクト

ここ5年ほどの間に、中国をはじめとした外資系のゲーム会社が日本でスタジオを設立するケースが増えています。
こうした外資系は、圧倒的な資金力を背景に、高い報酬で優秀な人をどんどん採用しようとしているんです。
しかも、多くの場合は年功序列ではなくスキルベースなので、20代でも1000万円超を提示されることがあります。
雑に言うと、「お金はあるけど人がいない、だから高い報酬を出して人を集める!」という状況なのです。

さらに、人数がまだ少ない分、リーダーポジションやマネージャーポジションに若手が抜擢される可能性も高いです。
大手だと、どうしてもリーダーやマネージャーになるまでに30代後半~40代を迎える人も多いですが、外資系の新興企業ならチャンスが巡ってくるタイミングも早いかもしれません。

企業名を書くことは避けますが、「中国 ゲーム会社 日本 出資」などのキーワードで検索してみると、どんな企業が、日本でどういうスタジオを作っているか、すぐ分かると思います。
さらに、外資系の多くの企業は、募集ポジションと年収レンジを公開していいます。(一方、日本の企業では「年収:経験に応じて決定」とだけ書かれていることが多いです)
実際、検索してすぐに見つかった年収レンジの例を紹介します。

  • A社 ゲームプランナー:450万円 ~ 1200万円

  • B社 ゲームプログラマ:550万円 〜 1300万円

  • C社 プログラマ   :700万円 ~ 1000万円

いかがでしょうか。日本の大手企業と比べると、高い値かと思います。
ポイントは、年収のレンジ自体よりも、年功序列ではなくスキルベースで年収が決まる、という点です。
日本の大手では、1000万を超えるのは40台前後になることがほとんどですが、外資系新興企業では、20代でも能力があれば、十分チャンスはあります。


外資系企業のデメリット

夢があるように聞こえる外資系ですが、もちろんデメリットもあります。
それは、出資元の意向一つで、会社が売却・解散されるリスクがあるという点です。
実際2024年は、複数の外資系のゲーム会社について、閉鎖や規模縮小のニュースがありました。これも社名は伏せますが、「2024 ゲーム会社 解散」などで調べると、すぐに情報が出てきます。そうなると、突然仕事を失うことになります。

外資系の会社は実績には非常に厳しく、「利益を生まない組織/人材は切る」ということが多いです。
個人としてのスキルに自信があり、かつ仮に会社が解散してもすぐに次の良い仕事を見つけられるような経験を持った人でないと、外資系のゲーム会社で働くことはリスクが高い、と考えています。
逆に考えると、優秀な人はすぐ次の仕事が見つかるから大丈夫、とも言えます。


情報収集はどうする?転職エージェントの活用

ゲーム業界のポジションや年収の情報を調べるとき、ネットの書き込みや転職口コミサイトで調べる人が多いと思います。
マネージャとして色々な人の給料を見てきた立場からハッキリ言わせてもらうと、転職サイトにはあまり正確な数字が載っていないことが多いです。
というのも、転職する気が全くない人や、特別な高い待遇で採用された人はわざわざ口コミサイトに投稿しないため、どうしても不満の声が多めに見えてしまうからです。転職サイトを見るときは、「上3割の声は見えていない」と思った方がいいかと思います。

そこでおすすめなのが、転職エージェントを活用する方法です。
エージェントは企業のリアルな募集状況実際の採用事例をつかんでいるため、かなり具体的な数字を教えてもらえることがあります。

僕自身、転職エージェントとのつながりを作るために、大手の転職サイトはほぼ全て活用しました。ただ、多くのエージェントは、ググれば出てくる情報を大量に送ってくるだけで、あまり意味がありませんでした。

そこで、私がオススメするのは、LinkedInです。
LinkedInにきちんとプロフィール・経歴を載せておくと、最初から個人対個人で質の高い情報交換ができるケースが多いです。
優秀なエージェントの多くは、LinkedInを活用しています。
大手の有名な転職サイトから一斉送信される求人よりも、あなたのスキルをしっかり見たうえでコンタクトしてくるエージェントのほうが信頼できると思います。


転職しなくても、転職エージェントを活用していい

よくある誤解なのですが、「転職エージェントと繋がる」=「転職する」ではありません。転職エージェントは、長期的なキャリアのコンサルタントであり、継続的に情報交換をできるパートナーです。

優れたエージェントであれば、あなたの経歴やスキルを見て、ポジションや収入面で相談に乗り、今の会社が適切なのか、転職が適切なのか、相談に乗ってくれるはずです。
逆に言うと、相談に乗らずに転職を強く勧めてくるエージェントとは、早めに縁を切った方がいいと思います。

まずはLinkedInなどを通して何人かと個人的なつながりを持ってみて、業界の情報を聞いてみましょう。今すぐ転職しなくても、数年後に縁があることもあります。


転職は本人にとっても、会社にとっても、ポジティブなこと

マネージャーをする中で、会社を健全に運営するには人材の流動性が大事だと感じています。
同じ会社に10年、20年と在籍していると、どうしても経験の幅が限定的になる一方で立場だけが上がっていき、固定的な目線から後輩にアドバイスをしてしまう人が増えてくるように思うからです。

そういった方こそ、別の場所での経験を積んでもらったほうが、本人にとっても会社にとっても有益だと考えています。
仮に一度退職してしまったとしても、ほかの企業でスキルやノウハウを身につけて「また戻りたい」と思うなら、戻ってくればいいのではないでしょうか。
そのときは、前よりも良いポジションや報酬を用意してあげれば、会社としても本人としてもウィンウィンだと感じます。

退職は決別ではありません。

むしろ、新しい場所で成長してから戻ってくることで、社内に新しい風を吹き込むことができるはずです。
会社員の方も経営側の方も、「人材が動くこと=マイナス」という考えではなく、「いろんな経験を経て戻ってくればいい」くらいの視点を持つと、長期的にはプラスになるのではないかと思います。


キャリアアップのために行動してみよう

ゲーム開発業界の年収は、大手で安定して昇給していく道もあれば、中小・新興企業や外資系企業で一気にキャリアや年収を伸ばすチャンスをつかむ道もあります。
年功序列で確実に上げていきたいのか、スピーディーにハイクラスを狙いたいのか、自分の望むキャリアプランによって選択が変わってくるのではないでしょうか。

もし「もっと年収を上げたい」「早くリーダー経験を積みたい」と思うのであれば、転職エージェントLinkedInを活用して、積極的に外部の情報を取りに行ってみるのがおすすめです。
そこから得られた情報をもとに、気になる企業の採用ページをチェックしてみると、今まで知らなかったキャリアアップの可能性が見えてくるかもしれません。

読んでくださった皆さんが、自分に合った環境を見つけて、より満足度の高いキャリアを築いていけることを願っています。


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