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ローライ35AFはとても気になるフィルムカメラだけど。
40-50年ほど前に製造されていたコンパクトなフィルムカメラ、ローライ35の「新作モデル」を現代の技術も使って登場させようというプロジェクト。先日「予約開始は9月10日から」という案内メールが来ました。
オートフォーカス機能を取り入れた新作モデルの名称は「ローライ35AF」です。日本のウェブメディアなどでも取り上げられています。
ローライ35シリーズは、小さくてデザインが良く、眺めるのも使うのも楽しいカメラです。私は旅行や山歩き、ランニングに持ち出して10数年使っています。noteでもたびたび記事を書いてきました。
そんなローライ35の最新機。長年シリーズを使ってきた者として、気にならないわけがありません。昨年末か今年の年初あたりに、製造元のニューズレターに登録しました。
そしたら、予約したわけではないのに「おめでとう!君に最初の500台のうち1台を確保したよ」なんてメールが来ました(英語から大まかに訳してます)。昔のフィルムカメラを使う人は若い製造番号に魅力を感じてしまうという習性を、よく理解したプロモーションです。
今の時代にフィルムカメラの新作を作るのは、かなりの覚悟がいると思います。それがローライ35シリーズの新作であれば、応援したい気持ちも出てきます。
でも。
すごく気になると思いつつ、私は実際に発売されたら買いたいのかどうか、どっちつかずの気持ちが続いていました。
主な理由はふたつ。まず、製造がローライ社ではなく、別会社であること。インスタントカメラなどを手掛けるMiNTという香港のメーカーだそうです。ローライ35の名称やデザインを使用するライセンスを取得しているのでしょう。現在のローライ社はフィルムやカメラアクセサリーに特化していて、カメラ自体を作る体制はないのだと思います。
ローライ35AFはローライ社のウェブサイトでも大々的に告知されていますし、実際の製造がどこかなんてことは大したことではないのかもしれません。もともと、オリジナルのローライ35だってレンズはカールツァイス、露出計はゴッセンなど他社技術を大いに使ってるわけですし。
でも個人的には、やはり気になるんですよね。
もうひとつは、オートフォーカスや内蔵フラッシュなどがついていること。これは、今の時代に新作カメラを出すのであれば当然なのだろうと思います。便利だとも思います。でも、私には不要です。
私にとってローライ35シリーズは、レンズを引っ張り出して回転させないとシャッターが押せないとか独自の作法があり、目測でピントを合わせなければならず、一部モデルは露出計もないから経験と勘で
露出を合わせるという、極めてアナログでマニュアルなカメラです。不便さも含め気に入って使っています。
今の時代にそんな不便さまで再現した新作カメラが出てくることはないとは理解しつつ、ローライ35はやはり私にとっては、ほぼ全てを自分で設定する手間もあってこそのフィルムカメラだと感じました。そうすると、ローライ35AFはとても魅力的だし今の時代にフィルムカメラの使用者を増やしてくれる力を持っているかもしれないけれど、あまり私向けではないのかもしれない。そう思うようになってきました。
そんなとき、見つけてしまったのです。1台のカメラを。
オリジナルのローライ35。ドイツ製。初期。その中でも製造番号が300から始まる、極初期のモデル。
背面の刻印にゴッセンやコンパーの名称がないので、最初期ではありません。でもその次のモデルだと思われます。私がこれまで実際に目にした中で、2番目に古い製造番号を持つ個体でした。
前面のRollei 35の刻印は、初期モデルだけに見られる細字です。
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これが、私の相場感からするとかなり手頃な値段で販売されていました。ローライ35AFが欲しくなった場合に備えて少しずつ貯めようかなとしていた途中の金額で、ちょうど収まるぐらいの額です。
この極初期型のローライ35を使ってみたい。ピピッとそう感じました。そして、この1台を入手しました。
このとき、ローライ35AFは買わないと決めました。
まだ、最初のフィルムを撮り終えていません。どんな写真ができてくるかも楽しみですが、持ち歩いて使う喜びも感じています。
私にとってのローライ35は、こんな風に、使うことのワクワクを感じさせてくれるカメラです。ローライ35AFも、今の時代のフィルムカメラを求めている方やこれからフィルムカメラを始めようという方にとって、長年使うのがワクワクするような仕上がりになっているといいな、と思います。
〈追記〉
ローライ35AF、予約が始まりました。事前には公開されてなかったブラックモデルもあります。ブラックの方が少し高いところも、オリジナルのローライ35をしっかり踏襲してますね。
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