ラン x ローライ実践編⑦ 大会や山登りでの使用など
ローライ35Sをランニングカメラとして使う「『ラン x ローライ』のポイントを少しずつ書いています。最終となる今回は、ローライ35Sをランニングの大会で使えるか、山登りなどに持っていく際のポイントは、といったことを自分なりの視点で書きます。ラン x ローライ実践編の全体像については、こちらをご覧ください。
ランニングの大会で使えるか
どういうスタンスで大会にのぞむかによって変わってくると思います。私は時々しか大会に出ませんが、出場するときはその時点のベストを尽くします。そうすると、フルマラソンやそれよりも短いロードの大会にローライ35Sを持って出るのは難しい気がします。
タイムを縮めるためには少しでも身軽でありたいので、400g近いカメラは持ちたくありません。また、ローライ35Sで写真を撮るにはどうしてもスピードを落としたり一瞬立ち止まったりすることになります。この点も、なるべくタイムを縮めたいときには向きません。
トレイルランの大会も、私が出るような30-50km程度のものは難しいだろうと思います。1人ずつしか通れない山道で立ち止まって写真を撮るのは後続ランナーに迷惑ですし、道の脇に寄って写真を撮ることができたとしても、その間に5人とか10人に先に行かれるといい気はしません。山道は抜くのが大変なところも多いので、写真を撮るために何度も立ち止まることはしないと思います。
コース後半になるとランナーがバラけて後続のことをあまり気にしなくてすむようになりますが、その頃には自分も激しく疲労し、脚がけいれんしていたりします。フルマニュアルのビンテージカメラで写真を撮る余力がありません。
あと、山は周囲や足下や周囲に注意していないと転倒や滑落、道迷いにつながりかねないところもあります。山道を軽やかに走りながらローライ35Sで写真も撮れたらいいなぁは思いますが、それはあまり追い求めない方がよさそうです。
ローライ35Sを使える可能性がいちばん高いのは、100kmとかのロードのウルトラマラソン だと思います。私は100kmをずっと走り抜く脚力がないので、後半は走ったり歩いたりになります。そうすると、何人に抜かされるといったことはほとんど気になりません。自分がどうやって気持ちを切らさずにゴールまで行き着くかということがほぼ全てです。
100kmを12-13時間ぐらいでゴールしようという私のレベルだと、始めからなるべく体力を消費しないようゆっくり走ります。なので、後半に体のいろんな場所に痛みが出てきても、体力自体はまだいくらか残っています。後半、気力が枯れてきたときの気分転換や活力の素としてローライ35Sを使うというのはありではないかと感じます。たとえば、下の写真は柴又100k後半の夕暮れ時にスマホで撮ったものです。こんな写真をローライ35Sで撮れたら、撮影するときも、現像から上がってきた写真を見るときも、さぞ楽しいことでしょう。
山登りに持っていくには
ローライ35 シリーズは、そのコンパクトさと軽量さから、登山時のカメラとして十分に使えると思います。でも、これまでの回で書いてきた装備のうち、ランニングにはいいけど山には向いてなさそうと感じるものもあります。
カメラを山に持っていくときに注意が必要なのは、転んだり岩や木にぶつけたりすることです。派手な転倒でなくても、地面が濡れているときなどにスリップして尻もちをつくといったことは十分にあり得ます。ショートパンツの尻ポケットにローライ35Sを入れていたりすると、そうしたときに衝撃を与えてしまうかもしれません。また、ウエストバッグは荷物があまり入らないので、雨具や防寒具、多めの補給食などが必要な際は向かないでしょう。
グレゴリーのパデッドケースのようにズボンのベルトに取り付けられるものは、大きなリュックを背負っていても、取り出しやすい腰回りにローライ35Sを置いておけます。これは山登りにも便利です。
ラン x ローライに向いた季節
一年中、と言いたいところですが、湿度の高い日本では、夏場はやめておいた方がよいというのが私の印象です。移動中はジップロックで汗を防げるとしても、真夏は走っていると手のひらもかなり汗をかきます。ローライ35Sを取り出して使うときに汗まみれにしてしまうのです。
また、冬に寒くて手袋をして走るようなときは、手先が思うように動かせないことがあります。それが心配だという場合は、冬もやめた方がいいかもしれません。だとすると、ラン x ローライに向いているのは、「夏と、ランニングに手袋が欠かせない真冬を除く時期」ということになります。もちろん、住んでいる場所の気候やそれぞれの人の使い方次第というところも大きいと思います。
まとめ、的なこと
『ラン x ローライ』の実践編として、自分が愛用してきたローライ35Sやローライフレックス2.8Cをランニングや登山に持ち出すためのポイントを記してきました。あくまで個人的な経験をもとにした主観的なものですが、どこかでまとめておきたかったので、どうにかここまでたどり着けてよかったです。私もつねに試行錯誤しているので、時間がたてばスタイルが変わってくるかもしれません。「これは良い」という方法や装備などが出てきたら、追記していきたいと思います。
ローライの昔のフィルムカメラをランニングに持ち出そうという方はほとんどいないかもしれませんが、揺れや汗に気をつければ、決してハードルが高いものではないと思います。これから雨の多い時期を経て夏に向かっていきますので、もう少ししたら『ラン x ローライ』は小休止となるかもしれませんが、その間はこれまでに撮った写真の整理などをするつもりです。ランニングもローライでの撮影も楽しめるこの活動、気長に続けていくつもりです。