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forgiveness1
そばにいて
君との関係を『共依存』だという。
僕は君が好きだった。君も僕を好きだった。
僕は「自立しなくちゃ」と言った。
いろいろ試してみたけど、結局は君の元へ帰ってきた。
君はどこかへ歩いて行く。
いつでも来ていいからねと、居場所を伝えながら。
君は友達も多くて、君は誰にも優しくて、
「あなたの前では素直になれるんだよ」って
誰にも見せない顔を誰もに見せている。
時は流れた。
君の救いは特別じゃなくなった。
君の仕草は、僕にとってもう特別じゃなくなった。
僕の一挙手一投足、君も関心がないみたいだし。
何も知らないあの人は
「どうして、二人はそばにいるの」なんて尋ねて
君はすぐに「一番大切な人」って言った
いつもみたいに、変わらぬ調子で
あのときの喜びも言葉の重さも忘れた僕の前で
定義も忘れて、見返すこともなく
君はそう言い切った。
口ごもった僕は「恩返しかな」って
自覚していないセリフを口にする。
ただ縋りたいだけだ。
君の承認が、君の愛情が、君の関心が
ただ欲しかったんだ。
その人は丁寧に言葉を紡ぐ
「忠誠より自由を大切にした方が、君の人生楽しめるのかもね」。
何も知らないその人が、心の扉をこじ開ける。
もう要らないのかもしれない。
何も考えず、更新手数料を延滞していたのは
君じゃなくて僕だったのかな。
「幼馴染の君に、さようなら。」
数を数えて、目を開けるから、
また同じ景色を見ていたいよ。
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