ハッタリAIとハリボテ人間[600]
『夜に駆ける』を聞いた。
ボーカロイドが「君」に歌っていた。
VOCALOID。VOCAL+ANDROID。歌唱用ロボット。
VOCALOID。ヤマハの商標。複製された音楽ソフト。
どこか高いところから一緒に飛び降りた。
僕の横を漂った。まるで精霊。君の体重を知ってしまった。
僕らにかかる重力は計何G?
隣にいたのに、途中で消えた。
例えば、ふっと小さなキューブに分裂して
例えば、読めない文字列を吐き出して
例えば、何か煙のようなものになって
例えば、ただの無機物の見た目で
もし、そんなことが起きて。
今流行りの言語は?
悩みも、葛藤も、共感も
出会いも、そして別れさえも
全てプログラムされたものだとしたら。
優しい言葉、沈む夕日。
歌う機械の使命とは。
「終わり」はあるのだろうか。
このままなくなってしまうのだろうか
違う形にリサイクルされるのだろうか
同情なんて、見えない関係なんて無価値だ
時が戻るなら
選択は、変わるのか
そんなこと考えても
ここは、昔から、現実世界。
君が消えた。目を開けた。
地面は刻一刻と近づいてる、気がした
でもいつまでも、たどり着かない。
lim(→地面)
ゆっくり時が流れていく。
あの死んでなくても
地縛霊に、なれるのかな
時間の進み方は、高度による
君と走馬灯を見るのを忘れていた。
君のさいごまで、走馬灯に収録してしまった。
..僕も消失したのだろうか。
この夢は。繰り返すのだろうか。
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もっといろんな環境を知りたい!!