嵐。とうとうこの日がきた。
「ファンの子」
大野智という人は、私たちおばさんファンの事も、あまねくそう呼んでくれる。
まだ若い頃のインタビューで見たけれど「ファン、っていうのも違うし…」っていう彼なりの感じ方から、シックリきたのが「ファンの子」だったみたい。
それを今でも言ってくれるから、10コ近く年下の彼が「ファンの子が」と言うたびに、 ”頭ポンポン感” を感じて、ちょっと「えへぇ」ってなる。(キモチ悪いよね!承知の上です)
去年の1月に、2020年の12月31日をもって活動休止すると発表して、いま前日の30日にこのnoteを書いてるけれど、さっきレコード大賞で歌っている嵐を見て、「明日の生ライブ配信楽しめるかな」と心配になった。
嵐が歌っているのを見ても気分が上がっていかない。明日で終わりという事がダイレクトに迫って、最後を実感してしまった。こうなったのはさっきが初めてだ。
嵐たち本人だってずっと「31日どんな気持ちになるかわからない」ってあらゆる場面で発言していた。それはきっと本当で、想像つかないのは嘘じゃないと思う。私もそうだった。昨日まで。
しかもレコード大賞での彼自身も、「気分を明るく上げようにも上がらない」みたいに見えたし(あくまで私ベースだけど)。
実は活動休止発表の数か月前に、嵐は活動休止するんじゃないか、と感じたことがあった。嵐友達に言ってもモチロン「そんなことあるわけないやん」だったけど、ずっと大野智を見ていて、しんどいんじゃないか、もたないんじゃないかって長いことずっと感じていた。
だから突然の休止発表だったけど、聞いた時は正直、ホッとしたのも事実で、周りの嵐友達がパニックな中、わりと冷静でいられた。
その時のことを書いた文章がある。ライターとしてのスキルをあげたくて去年の秋に受講した、ライティングゼミの課題。人生で初めて自分の気持ちを書いた長文。
その課題は、添削されて条件クリアならWEBサイトに掲載されるというシステムで、嵐への熱い想いをぶつけた最初の課題が掲載された。今読み返すと、もっとこう書けばよかったのに、というところもあるけど、一本目がこのようにサイトに残って、いい記念になったと思ってる。
ちなみに後の3本はどれも掲載されなかったから、書く側のパッションってやっぱり伝わるのかと思った記憶がある。
思い返すと、嵐の番組を見ていても、私は単純に番組を楽しめていなかったような気がしてる。
「今日の彼はどんな状態だろう。元気なのかな」。過去の映像が流れたら、「この年はこんな出来事があった年だから、ちょっと元気なさそうに見える」「太ってる。ストレスかな」「痩せてる…役作りの時か」そんなふうにばかり見ていたと思う。
でもそれは私だけが感じてたんじゃなくて、彼のファンには、同じような人が多いのかも、と思うコトがあった。そのファン本人も気づいてないのかもしれないけど。。
それは芸人のヒロシさんと初めてビルの屋上でキャンプをして、火起こしを体験した回が放送された後の事。
あの時、自分で起こした火でお肉を焼いて食べて、その美味しさに「生きてるって感じする」「釣り以来の一生飽きない趣味を見つけた」と静かな興奮を語った彼の顔を見て、多くのファンが泣いたとコメントしていた。私もその一人で、あの時の彼からは、新たな趣味を見つけた喜びと共に、自然な素の彼が出ていたと感じたから。
キャンプという趣味を見つけて、しみじみと嬉しそうにしている彼を見て泣いた人は、いつもは何か気持ちをおさえてテレビに出ているのを、なんとなく感じている人なんだろうと思う。
自担が趣味を見つけて幸せそうだから泣けるって、もはやこれが普通なのかどうなのかも、私はわからなくなってる。(嵐ファンは、推しメンのことを担当というので自分の好きなメンバーを自担と呼びます)
キャンプ回の放送後、私は人生で初めて、テレビ局の番組サイトにあるご意見・感想というものに投稿した。
「大野さんにキャンプ企画をありがとうございました。心から感謝します。また今後もヒロシさんとのキャンプ企画楽しみにしています」のようなもので、きっと同じような投稿がたくさんあったんじゃないかと想像している。
その後、数回に渡ってヒロシさんとのキャンプロケは続き、ラストは初回で言っていた、二人で沖縄の無人島キャンプを叶えて、番組は企画を終えた。
スーパーアイドルと一発屋の芸人。彼はヒロシさんに出会ったことを衝撃的だったと言う。
ヒロシさんは彼のことを「すげぇ芸能人でスゴイ人なんだけど、すごい普通の面を持ってる。俺が普通でいられる」と言う。
彼は「俺、普通だからね。自分のことを普通だと思ってる。芸能人は俺らにとっちゃ普通じゃない。スゴイなって思う。だから二人でいると居心地がいい」と言う。
あのスーパーアイドルは、あれだけトップで活躍してても、普通の感覚を捨てることができなかった。だからこそ、しんどかったんだと思うけれど。
だってあれだけ一緒にいる松潤が、自分ちのリビングで寝転んでる姿を見て「芸能人が、松潤が家にいる」って思ったって言うんだから笑。
最初の屋上キャンプの時から二人は何かを感じていて、あの後二人は本当の友達になったのだ。来年からも一緒にキャンプに行くはずだ。いいなあヒロシ。
寂しいけれども。それよりも。
もちろんみんな、彼に戻ってきて欲しい。でもそれよりも、これからは自分のために人生を楽しんで、どうか休止後も幸せに暮らして欲しい。それが彼のしんどさを感じていた、多くのファンが思ってることじゃないかな。
先日の歌番組で嵐のパフォーマンスを見た時、「あぁもう嵐は休んでいいんだ」と感じた。私が感じたままで言うと、もうパフォーマンスの中に、他のアーティストのように「自分たちを魅せてナンボ」の精神が無くなってるように見えたから。
これはやる気がないとか悪い意味じゃなくて、そこの領域までいってしまったと言う方が当てはまるというか。。
今5人はもう「ただ最後まで感謝を伝えながら、自分達らしく活動を終える」この事しかなくて。だからなのか、正直あんまりキラキラ感というよりは、感謝ばかりが伝わってくるのだ。
それも全部、ファンに寄り添って、今やれることを最大限考えているからで、5人はもはや、そこに到達するしかないんだろうなって思う。
そして最近の彼は、特にテレビでもめちゃくちゃ力が抜けてて、いい意味で芸能人オーラがない。テレビの収録中ですらリラックスしてるのか、番組中も猫背で自分の指をイジイジする指遊びのクセが止まらない笑。
これだけ各レギュラー番組から愛されて、惜しまれる最終回特集を組んでもらって、「また5人でいつか戻ってきて」とみんなから言われる芸能人がかつていたかな。
当然来年から、嵐をテレビで見られないわけだけど、私みたいな人が世の中にたくさんいて、しかも私なんかよりずっとファン歴が長くて、つらい人が世の中にはたくさんいるに違いない、私の寂しさなんてマダマダ。そういうことを救いにしている。おかしな話だけど。
あぁもう大晦日だ。今日で嵐はいったん終わる。でもまた集結したとしても、今のような嵐はもういなくて。今の嵐は今日で終わりなんだ。
気の利いたことも書けないけど、前日の気持ちを残しておきたかっただけだから、いいや。
とうとうこの日がきた。全国に同じ日を迎えようとしている人がたくさんいることが、心のささえだ。私だけじゃない。
また、泣きながらキーボードを叩いている。初めて自分の想いを書いたあの時と同じ。
最後のライブ。どうか無事に終わりますように。