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海の幸(8)にらみ鯛
東京で鯛がマルのまま食卓に出るのは珍しい。たまに和食の宴会などで15センチくらいのものが並ぶが冷めていて堅くて美味しいとは思えなかった。
山陰に住んで鯛が美味しいと初めて思った。ただ、ウロコがびっしりついていて丹念にとるのは大変だ、と言ったら、スナックのママがペットボトルの蓋でとれば簡単、使った蓋はそのまま捨てて衛生的だと教えてくれた。その後まねしてペットボトルの蓋を使う。
カーレースで優勝するとシャンパン、プロ野球だとビールが盛大に登場する。相撲は大盃に日本酒。でもその前に力士を真ん中にして集合写真が撮影される時に登場するのが、大きな鯛。あれはどこで誰が調達するのか? 不思議に思っていたら、タニマチといわれる相撲部屋の贔屓筋が優勝しそうだとわかると漁業者に問い合わせ祝賀パーティーに間に合わせるそうだ。
大きすぎると味が淡泊になってしまうけど、あの鯛のお味はいかにお刺身にしてぐいぐいお酒を飲みながらなら、美味しいに違いない。鯛めし、煮つけ、ムニエル、フライどれもいける。鯛の天ぷらを食べ過ぎて亡くなった将軍もおられたそうだから食べ過ぎには
注意。(笑)
山陰では「にらみ鯛」という鯛がある。正月に姿焼きを食卓にのせるが三が日は食べない。四日目に温めなおして家主から順番に箸をつける。三日間も鯛とにらめっこなんて、ねえ。