日本における「女子学生」という存在
東京医科大学での入試で、女子学生の得点を一律で減らし、合格者を操作していたことが発覚した。
以下、記事からの引用。
総合内科専門医のおおたわ史絵氏は「まだ昭和のようなことをしているとは驚きだ。男性医師と遜色ない働きをしており、女性医師を望むかどうかは最終的に患者さんが決めること。入試段階の点数で操作するなど、時代錯誤も甚だしい」とばっさり切り捨てた。
第二次ベビーブームの私が高校を卒業した90年代初めは、「短期大学」の最盛期であった。
女子たちは挙って「短期大学」へ進学し、数年間「OL(いまや死語…)」として勤務し、「三高男子」を確保したあと、専業主婦になるのが当たり前だと思っていた時代である。
大学に進む女子は、ちょっとお堅いガリ勉タイプ。
短大卒でないと就職は厳しいとされていたので、ほとんどの女子が短大に進んでいった。
当時、偏差値が高い短大もたくさん存在していたのだ。
女子たちは、25日には価値がなくなるクリスマスケーキに例えられ、25歳をすぎ「売れ残り」というレッテルを貼られてしまう前に嫁入りしようと、こぞって合コンに出かけ、トレンディードラマに出てくるような結婚相手を必死に見つけようとしていた。
今回の事件を見ながら、気づいたことがある。
その昔、私たち女子は、「短期大学」という一見華やかな勉学の場に入学することを夢見て、卒業後は「花嫁修業」という、またなんとも魅力的な言葉に酔いしれながら、数年間お茶くみとして企業内で男性に尽くすことを学び、そして結婚し、専業主婦になるという、そんな女子用のお得なパッケージを用意されていたのだと。
バブルが崩壊し、私の入学したころから、女子の短大と大学の進学率が逆転していった。今となっては、廃校に追い込まれている短大も少なくない。
「男女雇用均等法」により、90年代以降女性の働き方も変化してきた。
しかし一方で、まだまだ女性は結婚したあと、職場に戻れる環境が整っていないのが現状なのだ。
私が住んでいるドイツでは、出産後も育児休暇があり、数年経っても同じ職に戻れるよう保障されている。何人か続けて子どもを産み、大きなブランクのあとに復職する人たちも珍しくない。
時代の流れは、過去にないほど速くなっている。
片や「平成」が終わりかけている今なお、「昭和」なことが根強く行われている日本。
はたして今後、世界のスピードに日本は追いついていけるのだろうか。