日本のジャズシーンの好きな事 TOP5【特集号】
みなさんこんにちは(*^▽^*) いつもお読みになって下さりありがとうございます。💛 (∩´﹏`∩) 💛 毎日、小学生並みの拙い文章力で【ゆうこりんアメリカ波乱万丈留学日記】を書いているジャズピアニストの二見勇気です。これは7年間の留学の間に起きた珍事や色恋沙汰を面白おかしく書いている赤裸々エッセイなのですが、最近ではこれと並行して、ジャズをあまり知らない方にもジャズの魅力を知って頂くために、特集号を出しています。現在【ジャズを音楽大学で学ぶべきか】という特集号を執筆中なのですが、大幅な遅れをとっています。本日は急遽埋め合わせとして別の特集号を組ませて頂きます。どうかご了承下さい。
本日は日本のジャズシーンの好きな事TOP5について書いていきたいと思います。
アメリカでジャズを勉強してから早7年以上経ち、アメリカで本場のジャズミュージシャンと共演したり、著名な教育家に指導してもらったり、多くの貴重な経験をしてきました。勿論、アメリカでジャズを学ぶという事は素晴らしい事だと思うのですが、アメリカにはない日本のジャズの文化というのも沢山ある事に気が付きました。今から5年ほど前にNYCのミュージシャンを日本に連れてきたときに、彼らに言われたことがきっかけでこの事を深く考えるようになりました。またアメリカで数多くの音楽留学生とも出会い、彼らの国のジャズ事情なども聞いてきました。それらもふまえ、私なりの考えを述べさせていただきます。
ではまいりましょう。私が好きな日本のジャズシーンTOP5です。
5位 ジャズのリスナーが多い
日本ほどジャズのリスナーが多い国はないでしょう。大分昔に、ピアノを習う子供は世界で一番多いというのを何かの本で読んだことがあります。(現在、中国は経済発展とともに中流階級が増え、英才教育が盛んなので、ピアノ人口一位は中国だと思います。)シャンソンを聴く人はフランスより多く、フラダンスをする人はハワイよりも多いとされる日本です。西洋の音楽が好きで、外国の文化をリスペクトする精神は素晴らしいものだと思います。中でもジャズはクラシック音楽と共に芸術性の高い音楽で、リスナーが多いというのは喜ばしい事だと思います。アメリカの短期大学でピアノを練習していた時に、アメリカ人の友達から何か弾いてくれと言われた私は、デュークエリントンのA列車で行こうを弾いたのですが、誰も知りませんでした。これが現状です。ところが、日本では映画や戦後のビッグバンドの文化の影響もあり、何となく彼らの名前を聞いた事はある人は多いのではないでしょうか?
4位 多くの教本、学術書が訳されている
以前ロシア人のバークリーの学生とルームシェアをしていた時に、彼女が私の本棚から数多くの和訳されたアメリカのジャズの教則本を見て言うのです。ロシアではロシア語に訳されたジャズの教則本なんてない。その時私はいかに日本人が研究好きで、少しでもアメリカで産まれた芸術音楽であるジャズを理解しようとしている事に気が付かされました。渡辺貞夫氏のJazz Studyがおそらく日本で一番最初に訳されたバークリーメソッドによるジャズ理論書だとされていますが、今から50年も前から、そういった教本で他の国の音楽を学ぼうとしていた姿勢は称賛に値します。現在、私や同僚の多くが中国でジャズの講演やマスタークラスをする機会が増えてきて、中国が経済発展と共に、ジャズの教育に一層力を入れてきているのが分かります。しかし日本は50年前に(Jazz Study 初版1970年)バークリーメソッドが渡辺貞夫氏により輸入されました。日本のジャズミュージシャンのレベルが世界でも圧倒的に高いのにはうなづけます。
3位 ジャズのサポーターが多い
これは5位と少々被るのですが、もっと具体的に申しますと、CDを未だに購入しているリスナーが多いのです。オンライン上での無料音源ストリーミングの影響か、先日近所のDisc Unionに行った際に、CDの値段が大分安くなった気がしました。しかし未だにレコードやCDを買い続けるファンが沢山いるのは事実です。日本でツアーをすると私のCDは2500円で売れますが、アメリカでは10ドル(約1000円)でも買ってくれないでしょう。誰も買わないので、私も安く売らないようにCDを実家に置いています。日本人の多くがCDを買うという事は、海外のアーティストを支援することに繋がります。日本には沢山のジャズのレーベルがあり、海外のアーティストを招いて録音してきました。また日本には多くのジャズのリスナー、サポーターがいます。日本のレーベルから出た名盤、日本のコンサート会場で録音されたジャズのライブCDは一体何枚あるのでしょう?数え切れません。私たち日本のリスナーはこういった多くの名盤を生み出し、ジャズミュージシャンをサポートし、アメリカのジャズの歴史に貢献してきたと言っても過言ではないのです。私はオスカーピーターソンが大好きなので、彼のCDを沢山チェックするのですが、日本のコンサートで数多くの名演を残しているのです。日本のレーベル会社と日本のコンサート会場が生んだ名盤の数はヨーロッパ全土の国の数が生んだ名盤よりも多いのではないかと思います。
2位 日本各地にジャズのコミュニティーが存在し、ミュージシャンのレベルが高い。
これは私が今から5年前にNYCからのミュージシャンと千葉の銚子という田舎を訪れた際に、アメリカ人たちが度肝を抜かしたことです。ライブの後にお客さんとセッションタイムとなったのですが、そこに来ていたお客さんのほとんどがミュージシャンで、そしてアマチュアにもかかわらず、非常にレベルが高いのです。特に中学校の女性の英語の先生はビルエバンスの酒バラをコピーしていて、一緒に演奏したアメリカ人は非常に感銘を受けていました。アメリカでは上手いミュージシャンはプロだし、アマチュアはおそろしく下手だと。アマチュアでこれだけ上手いのはどいうことだ?日々仕事で忙しい中、自分の練習の時間を見つけて練習しているに違いないと言っていました。数年後、私が鳥取に行った時に、ジャズのコミュニティーが存在し、もはや日本全国ジャズのコミュニティーがない所はないのではないかと思ったほどです。そして参加されたミュージシャンのレベルの高い事!日本人のジャズ、芸術に対する好奇心と愛を感じました。
1位 素晴らしいプレイヤーが多い。
高校生の夏休みに、山野ジャズビッグバンドというビッグバンドのコンテストを訪れて衝撃を受けました。こんなにもプロ顔向けの素晴らしいビッグバンドが全国に沢山あるという事を知りました。そして中には大学からジャズを勉強したという学生も沢山いるという事を知り驚きました。
アメリカでは小学生から子供にジャズの教育を受けさせるのも珍しくありません。小さいころから各地の教育者やプレイヤーに師事し、夏には小学生向けのキャンプに行くのです。そこでは全米の有名なミュージシャンがコーチをします。高校ではジャズのプログラムがある有名校に入り、大学で名門の音大に入る為に切磋琢磨します。コンペティションやサマープログラム、ジャズキャンプ、数え切れないほどあります。クラシック音楽と同様に、ジャズはもはや上流階級の家庭の子が学ぶ音楽で、有名音楽大学のジャズ科の学生のレベルと親の年収は比例します。日本では多くのプロミュージシャンが高校や大学からジャズを学び、親の年収に関係なく素晴らしい演奏をするのです。アメリカはここから日本人の勤勉さとジャズに対するリスペクトを学ばないといけないでしょう。
いかがでしたでしょうか?かなり個人的な意見になってしまいましたが、共感して頂け事もありましたら嬉しいです。
アメリカ、日本、どちらの国にも素晴らしい文化があります。双方から学べることは多いので、謙虚な姿勢でこれからもジャズを学んでいきたいと思います。また時間のあった時に今度はアメリカのジャズ文化の素晴らしい点についても書いてみたいと思います。お読みくださりありがとうございました。
写真:今から3年ほど前に神戸のベーシスト石川翔太氏と鳥取のジャズクラブで演奏をした時の事です。この時ボストンのNECの友人Umar(左から3番目のニュージーランドのベーシスト)とも再会を果たしました。終演後にジャムセッションをし鳥取のミュージシャンのレベルの高さに驚きました。
ジャズピアニスト 二見勇気
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