見出し画像

Behind the Gold Screen

去年は旅行中だったため出しそこねたお雛様。今年は絶対出さないと!っと屋根裏に上がるお天気の木曜日。
赤ちゃん(私)の顔に似たのを選んだという丸顔のお雛様も、御年54歳。度重なる引っ越しで、ダメージもチラホラ見受けられる。まぁ、引き継ぐ子供がいるわけでもないので、私が愉しむためだけだから完璧じゃなくても良いことにする。

ロンドン参りの電車の中でCotenRadioの伊藤野枝編を聞いた。
色々考えさせられる内容だった。
まだ、ちょっと消化されてない感じもあるので、ここに書いたら少し整理されるかな?とも思う。

CotenRadio 伊藤野枝 編【57-4】北アメリカのフェミニストでアナーキストのエマ ゴールドマンの思想についてのくだり。
『「女性」として生まれたことで、否応なく社会構造に絡め取られる。ここからの脱却は、女性自身の意識改革により、家庭生活から始められる。』

この辺りで、樋口さんが「女性の心の問題がとっかかりなんですね。、、、だから、男性にリーチするのは取っ掛かりじゃないんですね?」

この感じ、ちょっと「ん?」と引っかかった。

女性の自立を考えた時にいろいろな障害があるが、女性自身が障害になっているケースも多い。その意味で、女性自身の意識改革は重要だと思う。

数年前に友人と交わした会話を思い出した。旦那さまにくっついて中東で過ごしていた私は、日本企業の赴任家族と交流があり、楽しく過ごしていた。

「それって、ヒモじゃん。」
旦那さまの職場からは、少数だが妻の赴任に伴って来ている夫達がいた。私がその事を話した時、ある日本人の奥さんの反応が上記の一言だ。
その頃の私は、10年以上日本人と交流が無かったので頭の中が英国式になっていて、ある男性グループを「ヒモ」と呼ぶ事をすっかり忘れており、かなりショックを受けたのを覚えている。

日本の男尊女卑社会が、なかなか平等&公平にならない理由の一つが、女性の意識下に潜む、こう言った偏見が原因の一つでもあるだろうなぁと思った出来事だ。

ちなみに英国では「家庭」をひとまとまりとして機能させるためにメンバー(家族)が協力するのが理想的と、一般的には考えられているように思う。日本社会より「男女平等が理想的社会」と認知されていると思う。
なので、妻が赴任する際に夫が帯同する事に、疑問を感じる人は、「古い考えを持っている人」と馬鹿にされると思う。
それでも、もちろん現実は、圧倒的に男性の方が高い地位についているケースが多く、あらゆる場面でその打開のために、社会、企業、教育機関、個人等などが努力しているなぁとも思う。


雛人形を並べながら、また思い出す。
十年ほど前のこと。通信教育で俳句を勉強しているという、60歳位の友人の英国人女性に、雛人形を見せながら由来や歴史を話す機会があった。

私は自分の七段飾りを見せながら、「これは娘の健康と幸福を祝って飾られるもので、古い宮廷の結婚式をイメージしています。」というと、彼女は「結婚が女性の幸福なんて、今の英国で言ったらバッシングに会うわね。」と笑った。

それまで私は、雛人形や日本の伝統行事にネガティブなイメージが無かったので、このコメントに、少なからず驚いてしまった。


さて、CotenRadioに話は戻る。
女性の解放は、女性の意識改革から~というのはまず良い。
ただ、社会が持つ偏見や概念はどこで作られるのだろう?
私の中に埋もれている、打破しなければいけない「女性とはこうあるべき」という考えはどこから来たのか。
自分が無意識のうちに社会(両親、学校、友人、職場、メディア等など)から学んでしまった考えを、認識することは非常に重要だと、恐怖感を持って感じてしまった。
私には子供はいないが、日常的に話す友人の子どもたちがいる。私の何気ない一言が、彼、彼女たちに、間違った認識を植え付けてしまっていないだろうか?

ファザコンの私は、父からの影響を強く受けていると感じている。もし、父がもっと男尊女卑的価値観の持ち主だったら、私の心は影響を受けたに違いない。
更にいうと、父親が息子に対して「男、女はこう振舞え。」と、性別で区別したしつけをしたら、それも影響すると思う。
そうなると女性の解放は男性の意識改革も重要、という事になるとも思う。


さて、雛人形だ。
私は日本文化や伝統の美しさに魅了されている。苦労して七段飾りをイギリスまで持ってくるほど愛している。が、「女性の幸せは結婚にあり。」などというメッセージを後世に伝えたくはないのだ。

これはコレ。それはソレ。と、区別したい。
その為にも、自分の心と行動をもう少し気をつけて観察して、暮らしていきたい。

七段の雛人形が飾ってある。
「お雛さまって、女の子のお祭りなのに、男の人形のほうが多いって、なんでだろうね?」遊びに来た友人の息子(16歳)のコメント。面白いこと言うなぁ。















いいなと思ったら応援しよう!