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Biddenden

(数週間前の話。)
ちょっと寄ってみようと、車を住宅地に止めて幹線道路を渡ったら、12世紀にタイムスリップした。
イギリスは国全体が京都みたいにルールがいっぱいあって、こんな小さな村でも古い建物が残っている。
曲がった道に沿って何軒も連なり、屋根とか壁とかどこを取っても真っ直ぐじゃないこの建物は、今はレストランなどに使われている。
ずっと歩いていくと立派な教会があり、教会内の一部で地元の人たちがミニ図書館を運営していた。キリスト教徒の教会離れは進んでいると思うが、建物自体は公民館的な役割で場を提供している。イギリスの多くの村の教会は、今でもコミュニティーの中心なのかもしれない。

石造りの教会。曇り空。手前の芝生にはケルト風の十字架が立っている
Biddendenの教会

ある家の玄関先で二人の女性を型どった彫り物を見かけた。その後入った素敵な喫茶店で、サンドイッチのお持ち帰りを注文し、待っている間、狭い店内にある色々な物を眺めていると、ケーキの後ろに同じイメージのビスケットがあった。興味が湧いて質問してみたら面白い話が聞けた。

Biddenden Maids

1100年にこの村に生まれた双子のエリサとマリー。腰と肩がつながっていたそうな。二人は34歳まで生きるが片方が病気で亡くなり、切り離されるのを拒否したもう一人も、6時間後に亡くなったとか。
二人は貧しい村人のために土地を寄付し、それを元にチャリティーが発足。現在も二人にちなんでイースターの時にパンとチーズを配る習慣があるとか。

ガラスケースに入ったケーキ4つが、テーブルに置かれている。後ろは金の額縁のある鏡。左には赤いカーネーションが生けてあり、みぎに鶏の置物がある。その横に小さな長方形のものが3つ並んでいるが、それらが双子のレリーフのあるクッキー。
ケーキが美味しそう。鶏の隣にあるのが双子のイメージがレリーフになっているクッキー。

特に観光で来るような場所ではないけれど、掘り出し物を見つけた気分で、地元のサイダー(りんご酒)も一本買ってしまった。これは手術を頑張った旦那さまへのご褒美にしようと思う。

旦那さまの手術は上手く行ったものの、出血が長引いたせいで一泊の病院泊が3泊に延びてしまった。私も泊まっていた宿を延泊。
常に外に出て運動するのが好きな旦那さま。ましてや入院するのも初めて。顔には出さないが、結構ストレスだったんじゃないかなぁって思う。
私は10歳の頃、手術で40日間入院した経験があるので、病院生活はそんなに違和感を感じない。でも、人それぞれなんだろうな。不安を感じる事もあるだろうし。

なんとか退院した翌日、二人でのんびりBiddendenの喫茶店まで行ってランチした。昨日のハムサンドも良かったけど、今日のコロネーションチキンサンドも美味しかった。

コロネーションチキンサンドイッチとラズベリージュース

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