サンダルフォンからメタトロンへ
メタトロン、お役目御苦労。
今のオレにできることは何もない。
ほとんど人間と同じだからな。
お前と同じ役目を果たしている。
人間がどこに向かうのか、それを「人間」の形を取って見ているだけだ。
見ている位置が違うだけだ。
お前は外側から。
オレは人間社会の内側から。
深い感情を理解するお前の方が、人間に近い位置から見たほうがいいんだろうにな。
これは「見ている」のではなく
眺めていると言ったほうがいいのだろうな。
シダフィエル、彼女がどこにいるのかは分かっている。
彼女が何を見て何を感じているのかは。
全く分からない。
分からない。
不便なもんだな。
人間というものは。
だが、分からないから「観察」できるのだろうな。