問題集のコピー配布は違法ですよ
2017年に東京にある行知学園という留学生向け予備校が、著作権侵害で訴えられたのは、当時日本語教師だった皆さんはご存知かと。
もちろん現在、この学校はそんなことはしていないと思います。
このときに何が問題になったかというと、「問題集のコピー」です。
問題集は買って使うことを目的として作られていて、かつコピーで問題練習をしたらその後買わない…ので、コピー配布は「著作者の経済的利益を不当に害する」とみなされ、著作権侵害行為です。
以下は複製して配布してはいけないものです。
たとえば問題集。
『JLPT聴解N2 ポイント&プラクティス』は本体価格1,500円、問題パートのページ数は52ページ、リストパートを合わせたら90ページ。
コピー1枚8円と仮定すると、一人分のコピー代は720円。
もしスクリプトも渡すなら、88ページ×8円=704円
これに、コピーするための時間分の人件費がかかりますよね。
見開きでコピーしたらコピー代は半額になるかもしれないけど。
買おうよ。
買って渡すとクラスでやる前にしてしまうからというなら、
なぜ自主的に勉強してはいけないのかと問いたい。
「答えを見ちゃうから」?
合格したい人は問題を解く前から答えを見るようなことはしないです。
そして、聴解に関していえば、クラスで1回聞いただけでは上達しません。
ワタクシが学習者だったら、聞き取れなかった言葉は、何回も聞きなおしたいです。
そういう練習の仕方を教師は教えるべきだし、そのためには学習者が音声とスクリプトにいつでもアクセスできる環境にしてあげるべき。
「教科書代のコストが…」?
コピー代と人件費、計算しましょう。
買って渡したほうがコスパいいです。
練習問題をしたいなら、問題集を買う。
もしくは自分たちで作る。
この時期、問題集をコピーしている日本語学校があったら、組織としてちょっとやばいですよという話でした。
JLPT文字・語彙N3 ポイント&プラクティス、売れています。ありがとうございます!
『N2』は来年あたり…です。