乳がんの記録(術後1日目)♯147
乳がん手術当日の夜はあらゆる管が通り、酸素マスクもつけ、寝返りも打てず苦痛だったが、朝を迎えると早々に、ほとんどの管は外され、ついているのは全摘した胸から出る体液の管(ドレーン)のみとなった。
主治医の先生の回診を受けて、歩行可能となり、午前中から早速、病棟内は歩いて良しという許可がおりた。
痛み止めの薬も貰い、今のところ痛みはあんまり感じない。
一昨日の夕食ぶりの朝食もペロリと平らげた。
出血防止のため、右腕は脇から離せないし、まだまだ不自由さはある。だけど、移動できる自由を得られたのは何よりの喜びだった!
NHKオンデマンドで『べらぼう』第二話を見て、読書も何冊かできた。
夫、母も面会に来てくれて気分転換に。
午後からのリハビリで体を動かせたのも爽快だった。帝王切開の時はお腹が痛くて、NICUに入っていた息子に母乳を運びに行くのが苦痛でならなかった記憶がある。
が、案外、今回は痛みも感じず、普通に歩けた。
作業療法士さんに話すと「この病院は疼痛管理ができているからね」とのこと。痛みを覚悟していた分、ありがたい。
この入院期間はきっと沢山不便や不自由、物足りなさなどを感じるんだろうなと考えていた。でも、ただ、こういう経験を通して、私が日々の生活の中で必要とするもの、必ずしも必要ではないものが明らかになれば、と思った。
ゆっくり本を読めることは、幸せ!
病院食は見た目は地味だけど、おいしいしヘルシー!
病院の先生も看護師さんも作業療法士さんも親切だしきちんとコミュニケーションをとってくださる。
ただ、やはり家族や友達と会いたい。遠慮なくあれして、これしてと頼める人がそばにいてほしい。
住み慣れた家で過ごしたい。
自然を感じたい。思いっきり体を動かしたい。
そんなことを考えていると、最期を迎えるまでの数年を介護施設と病院で過ごした祖母を思い出した。私が京都にいるときは、毎日のようにお見舞いには行ったけれど、最期を迎える2、3ヶ月はコロナで面会をも制限された。
最期をどう迎えるか、自分では選べないけれど、それでもなるべく希望通りに迎えられたらなーなんて思いを馳せる。
いや、でも自分の意志で決められないからこそ、どの環境でも不満を持たないマインドになれるよう鍛錬した方がよいのかな。
退院までまだ折り返し地点まではいっていない。早く落ち着く家に帰りたいけど、そんなことを考えながら、気持ちをどうにか持たせている。