乳がんの記録(手術前日)〜過ごし方と心境♯145
10月末の乳がん検診から2カ月半。検査、診察を経て、今日から入院。
ようやく今日、スタートラインに立てた。
手術先行の私の乳がん。手術で終わるかもしれないし、手術をしてみて、そこから放射線治療、さらには抗がん剤治療が始まる可能性もある。いずれにせよ10年間のホルモン療法は決まっている。
明日からのことを考えると、恐怖心が一切無いわけではない。
スタートラインと書いたが、それは更に辛いこと、悲しいことが沢山待ち受けている獣道に通じているのかもしれない。
でも、乳がんによる胸の変化を、一切の疑いを持たず「授乳のせい」と片付けていた私が、乳がん検診をさらに半年後、1年後・・・と先送りしていた可能性も十分すぎるくらいにあるとを考えると、こうして治療を受けられることは、感謝でしかない。どんな風に捉えるかも自分次第。
入院までの数日間に、オーディブルで出口治明さんの『復活への底力』を読んだ。脳出血による後遺症からの復活までの道のりを記録した本である。この本を通じて、「川の流れに身を委ね、流れ着いた場所で一生懸命に生きる」という出口さんの姿勢に大変勇気をもらった。また知識は力なりという言葉にも。同じように治療に励んでいる方がいらっしゃったら、おすすめしたい本である。
さて、まだ体に余裕があるうちに、手術前日の1日を振り返っておきたい。
13:30 ~
入院手続き→病棟案内
病棟、手術室の看護師さんからそれぞれレクチャー
病棟の担当医さんから挨拶
リハビリ担当の作業療法士さんや薬剤師さんから挨拶
退院計画の希望を聞かれ、「早く退院したいです!」と希望を告げる。やっぱり家がいい。病院では、なかなかリラックスできない。早く帰るためにがんばる・・・ひとまず入院予定は1週間。
リハビリの作業療法士さんから、「元気ですね」「腕の力、めっちゃありますね」と褒められる。ただ「術後は、手術する側の右腕は、開かないでくださいね」、告げられる・・・利き腕なのに、ずっと閉じておける自信がない。忘れそう・・・
そして術後当日から、むくみ防止にグーパーの手の開け閉めを1日3回、10回ずつを目安に、やりましょうと告げられる。手のむくみにも効果があるとのこと。ふむふむ、これがよく梅宮アンナのインスタでも見たやつね。
<合間のタイミングを見て>
シャワー
術後しばらくは満足に洗えないので貴重な機会。でも、やっぱり家の風呂がいい~。シャワーは、万一のときに十分に対応できるよう、看護師さんの日勤時間帯に入ってほしいとのことで、急ぎで入る。
病室内環境整備
幸い個室があいており、あてがってもらえた。子供とビデオ電話もするからありがたい。病室を使いやすいようにセッティング。殺風景な病室ではあるが、友人や職場からもらった沢山の折り鶴、メッセージ、お守りをベッドから見える場所に置く。それだけで、空間が彩りに溢れて、ちょっと気持ちが安らぐ。
Face Timeで子供とビデオ電話
18:00 主治医の先生の内診
主治医の先生から呼び出し。
手術前に触診とエコーでがんの位置を確かめ、執刀する位置の最終確認。
油性ペンで印をつけてもらう。ひきつれがないように、配慮をして頂いているようだった。
最後の診察から1か月空いたからなのかもしれないが、ちゃんと前日にも確認してもらえるとは思っていなかったので、安心。
また手術は、子供の帝王切開のときは、執刀医の先生だけだったかと記憶しているが、今回は主治医の先生以外にも、乳がん外科の先生2、3人も一緒に入って下さるとのこと。
すごく丁寧に、治療に従事してくださる人たちが説明に来ていただけたので、不安を特に感じることなく1日を終える。
18:30 夜ご飯
20時以降、絶食😢午後一番の手術につき、明日9:30以降は飲み物も絶飲。
ただいま21:15 既に腹が減っている・・・
20:00 Facetime 子供とビデオ電話 両親とLINE電話
今 note執筆
そんなこんなで、意外と慌ただしく1日が終わってしまった。
入院期間中は、感染症防止のため、子供は面会禁止。それを聞いたときはちょっと悲しかったが、家事、育児を忘れて、自分のことに時間を使おう!と気持ちを切り替えた。けれども、朝、登園、登校する子供たちを見て、この子たちと1週間会えないのか・・・と思うと、近くで抱きしめられた日々が急に懐かしくなる。きっと、子供たちが将来進学や就職で巣立っていくときも、同じような感情を抱くんだろうな、一緒にいられる時間を大切にしよう、と心に刻む。
色々と暇つぶし道具は持ってきたものの、入院1日目、手術前夜は、子供たちと夫に手紙を書いていたら、いつの間にか終わっていた。
先生も信頼しているし、手術も成功すると信じてはいるけれど、手術中に何が起きるかはわからない。「絶対」なんてものはない。だから、何か起きた時も、今、この気持ちを伝えられず後悔することがないよう、家族に今の思いを告げる手紙を書いた。
ちなみに「悲観的」に予測するのは、この乳がんがわかってから読んだ楠木建さんの『絶対悲観主義』から。
とここまで書いて、手術前夜であるにも関わらず、意外に気持ちが落ち着いている自分に驚く。寝れるかな・・・と心配だったが、意外に眠気が襲ってきている。
それもこれも、やっぱり、この2カ月半、いろんな人たちが、励ましの言葉を寄せてくれたからに他ならない。
周りのエールが、自分の力になるんだ、と今回病気になって、強く実感した。本当に、ありがとう。
この調子でいけば、気持ちの面ではなんかいけそうな気がする。
明日、がんばります!