病院食から豊かな食卓を考える♯149
入院生活5日目がスタート。
私が入院している病院は公立病院だが、病院のYouTubeによると病院食に力を入れているらしく、確かに美味しい。
写真の撮り方は雑だが、昨日のおかずはこんな感じ。おでんが美味しかった。抹茶味のデザートも出た。
ただ、やはり機能性最重視の器になるからか、どうしても第一印象は悪くなりがち。
大方の入院経験者は
「病院食はまずい」「家の料理が恋しい」
なんて言うけれど、この味気ない器によって料理のおいしさ3割減になってる可能性は大いにあると思う。
それに病院食は、殺風景な病室で1人で黙々と食べないといけない。
おいしいものでも「おいしい!」と感じづらい環境なのかもしれない。
入院中に読んだ土井善晴さんのこちらの本。
豪華な食事じゃなく、素食と言われるような質素な食事でも素材や器、お膳、その場で交わされる会話、誰が作ってくれたか顔が見えることなどでより豊かなものにできるということが書いてある。
この本に書かれる内容と病院食を照らし合わせると考えさせられるものがある。
私は、入院前、この病院が開催していた「がんと食事」に関する市民講座の動画を見てきた。
病院の栄養士さんが、がんの悪液質や抗がん剤の食欲低下などで悩む患者さんにも食べやすい、栄養バランスのいい食事を作るうえでの、想いや工夫を話しておられた。
私がここの病院の食事が「おいしい」と素直に感じられるのも、作った人の想いにふれたことがあるからなのかもしれない。
がんになって、「食」に関する関心は高まった。
ただ、日常に戻るとどうしても時間との闘い。
なかなか手の込んだことはできない。丁寧な暮らしとやらにも憧れるけれど、なかなか隅々まで丁寧さにこだわることはできない。
でも、必ずしも毎日毎日手間をかけ続けなくても、少しの工夫と、少しの時間とお金の初期投資で、栄養のバランスが整ったものを、例え質素なものでも、豊かな食卓で食べることはできるのかもしれないと感じる。
それを退院後、家でも実践していこう!