[weryfikacja 検証46] 削除”線” - ノクターン第2版
46.
原資料に関する解説
ノクターン ロ長調 作品62の1, 第15小節(右手)
「削除線のため不明瞭」は誤訳。いったい何が問題なのでしょうか。
不明瞭である理由は 「削除線のため」ではありません。線で削除 skreślenie/crossings-out した結果、その後に起こったもので、線が原因ではない。
wskutek は前置詞で、この場合「・・・の結果」を意味します。削除線が原因ではないが、削除の結果不明瞭とはどういうことなのか。
「線のため不明瞭」と書かれていると、読む人は「線が原因で見えにくいのだ」と受け取ります。しかしこれは “見えにくい不明瞭さ” ではないのです。
ショパンはこの小節後半、右手パートを線で消して上に新しく書き、でもリズムがはっきりしない。しかし削除線で見えにくいからではない。 4拍目の8分音符 e2 に付点がないため1拍に満たず、 0.75拍 ではおかしいからであり、それをリズムがはっきりしないと言っているのです。
この文はいくらか紛らわしい書き方で、英訳も誤解を招きやすい。原著者のひとりであるカミンスキ先生によると、「書き直したことでリズムがわかりにくくなった」という意味であると。
(誤) 削除線のため不明瞭
↓
(正) 消され、訂正された結果わかりにくくなっている
原文では「削除(するという行為)」と明確に書かれているのに、なぜ 削除「線」と訳したのでしょうか。線のために不明瞭なのではありません。これでは原文の意味が伝わらない。
Special thanks: Prof.Paweł Kamiński, PWM, OCVE
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