ノクターン日本語版では 第1版・第2版ともに 弟子の楽譜への書き込み部分の写真が1点掲載されています。 しかしこの写真は監修者の先生が選んだもので、もとのポーランド語/英訳版にはありません。 第1版では監修者がポーランド語/英訳版にない項目を増やしている 第1版第1刷では、写真は「演奏に関する解説」に載っています。この ノクターン 嬰ヘ長調 作品15の2, 第12, 18, 20, 48, 58小節への「演奏に関する解説」(項目全体が監修者の先生による大変に長い[訳注]
監修者の先生によって「ossia と」が「ossia として」に変更され、出版。 51. 演奏に関する解説 楽譜に関する注意(各巻共通部分) 2020年2月の締切時に訳者5名が原稿を提出した際、この各巻共通部分「楽譜に関する注意」で ossia「として」と訳した人はひとりもいませんでした。 原文からそのまま訳せば ossia「として」にはなりません。 英訳はどのようになっているのでしょうか。 この部分の英訳は(上の画像のように)何種類もあり、巻によって違います。もし
filiacja/filiation とは、原資料(źródła/sources)間の類縁関係のことです。 例えば ノクターン 変ニ長調 作品27の2 の原資料間の類縁関係、filiation はこのようになっています(上がポーランド語、下が英語): filiacja(フィリアツィア), filiation(フィリエイション), 原資料(źródła/sources)間の類縁関係。 自筆譜(A)/autograf/autograph に始まり、どのように各国の出版につな
48.49. 原資料に関する解説 (要約) 『はじめに』前半部分 黄緑色の部分 「各曲の編集(校訂)原則を要約した形で紹介する(full versionではない)。」 桃色の部分 「オーセンティックな原資料同士での内容不一致について、その中でより重要なものについて論じる。」 水色の部分 「ショパンの没後に編集された諸版に見られる、オーセンティックなテクスト(楽譜の内容)からの逸脱で最頻出のものも最小限知らせる。」 「各作品の編集(校訂)原則」を要約した形で示し、「a
ナショナル・エディションの「原資料に関する解説(要約)」では「はじめに」で、この解説はいったいどういうものなのかを整理して簡潔に説明しています。 しかし、この要(かなめ)となる部分の訳に問題が多い。これでは核心となる事柄をストレートに理解できません。 47. 原資料に関する解説 はじめに authentic とは「本物である」ということ autentyczny/authentic/オーセンティック。 これはナショナル・エディションでは、その原資料が「本物かどうか」という
46. 原資料に関する解説 ノクターン ロ長調 作品62の1, 第15小節(右手) 「削除線のため不明瞭」は誤訳。いったい何が問題なのでしょうか。 不明瞭である理由は 「削除線のため」ではありません。線で削除 skreślenie/crossings-out した結果、その後に起こったもので、線が原因ではない。 wskutek は前置詞で、この場合「・・・の結果」を意味します。削除線が原因ではないが、削除の結果不明瞭とはどういうことなのか。 「線のため不明瞭」と書かれ
ショパン・ナショナル・エディションのノクターン日本語版 第2版では、脚注部分にある4か所の: należy powtórzyć/powtarzać should/must be repeated 繰り返して弾く(べき) の全てが 「弾き直す」と訳されてしまっています。 その音を繰り返すのは、「もう一度響かせる」「再び響きが生まれる」のであって 「弾き直す」「やり直す」のではありません。本質的に違う。 「弾き直す」と脚注に4か所も書いてあるのは、翻訳の質とは別に、一
ノクターン第2版 検証(27~35) エキエル編ショパン・ナショナル・エディション日本語版ノクターン。第1版は問題が多すぎたため2022年8月に販売停止。2023年2月15日に第2版発行。「今度の第2版は大丈夫なのか?」と多くの方々が知りたがっていらっしゃり、現在検証中です。 「複数の初版」とは? ノクターン日本語版 第2版第1刷(2023年2月15日発行)には「複数の初版」という言葉が数多くあらわれますが、この訳は適切ではありません。 いったい何が問題なのか。 2
ノクターン第2版 検証(1~26) ヤン・エキエル編ショパン・ナショナル・エディション日本語版ノクターン。第1版第1刷では、監修者/担当者が訳者に何も知らせず数百箇所を勝手に変更し出版、問題が多すぎたため 2022年8月に販売停止。その後、誤った変更を元に戻し出版するという方法をとらず、なぜか訳者を変えて2023年2月15日に第2版第1刷発行。「今度は大丈夫なのか?」と多くの方々が知りたがっておられ、現在第2版を検証中です。 まだ部分しか見ることができていませんが、そして
全音楽譜出版社 渡◯◯子様 加◯◯士様 浅◯◯希様 加藤一郎先生 セミナー(2022年10月19日大阪、20日名古屋、21日東京)には出席できないが、聞きたいことがあるという方々からご質問が寄せられました(まだ増える可能性も)。チヒさん、監修者、担当者ということですが、監修者の先生への質問が圧倒的に多いです。読者の皆様への回答をよろしくお願いいたします(最後の2つは私からの質問です)。 [セミナーに出席できない方々からの質問] ・監修者の先生へ質問 監修者の先生にお伺
この箇所についてはカミンスキ先生と細かくお話ししています。私はこの曲が身体の中に入っており、30年以上ナショナル・エディションでショパンの作品と向き合い、吸収し自分のものにし、各国のステージで長年ショパンとともに、またこの作品とともに生きてきました。 コロン ( : )には意味があるはず ある方から2022年9月8日に、ハーフペダル(の箇所)は誤りとのお声をいただきました。 ポーランド語版では濁りを避けるべきところの下に プウペダウ(ハーフ・ペダル)と書かれ、文字の始ま
ある方から「自筆譜清書」は誤りとのお声をいただきました。2022年4月17日にまず「『自筆清書譜」のほうが正しいと思う」。その後 9月3日に「『自筆譜清書』の訳語の解釈が疑わしい」、そして9月8日になると「『自筆譜清書』は明確な誤り」であると強く主張される。オリジナルのポーランド語は autograf-czystopis です。 「自筆譜清書」か「自筆清書譜」か 今回のナショナル・エディション日本語版ではこれよりもはるかに深刻で重要な問題が数多くありますが、この方は春から
2022年4月5日の全音HP「ナショナル・エディション『ショパン : ノクターン 』日本語版の検証について ※ 」の深刻な問題点に関してこちらに書かせていただきました。 ( ※ 注: この全音HPの検証結果ページは 2024年6月21日に全音により消去され、「ページが見つかりません」と表示されます。) 検証とは言えなかった”検証“ページ ・検証者の先生は匿名。 ・396の問題箇所のうち、わずか約2.5%にあたる10箇所だけを要訂正とし、より重要で深刻なものが含まれている
日本語版ノクターン発売 エキエル編ショパン・ナショナル・エディション日本語版のノクターン (訳: 河合優子)が全音楽譜出版社から2021年11月15日に発売され、楽譜がポーランドの私のもとに届いたのは2週間後の11月29日。少し見ると、監修者/出版社による訳文の勝手な変更がかなりあります。これらを直さないと、エキエル先生とカミンスキ先生の書いていることはまっすぐに伝わらない。 正誤表を出したくない全音 全音は訂正/正誤表を出さないと言う。そして重版の際、訂正箇所決定の判
エキエル編ショパン・ナショナル・エディション日本語版。翻訳が(ポーランド語を読めない)監修者により勝手に変更され、そのまま出版されてしまう。この問題が広く世に知られても出版社は沈黙し、何の対応もなされないままでした。 全音が公式メッセージ ※ を出したのは、3か月以上も経った 2022年2月22日。2月10日に「事態は一歩も動いてい」ないこと、全音が何も対応していないことに多くの人が驚き、また翻訳者がポーランド側に助けを求め、PWMが動いたため。もしこちらが動かなければ、
検証者の先生へ、訂正表 11-20 追加のお願い (チヒさん、カミンスキ先生、ポーランド側スタッフ3名に下記内容をお送りしました。2021年12月のポーランド語リスト(396)とは異なり、今回の10点セット(11-20)は日本語です。チヒさんが検証者の先生に送ってくださるとのこと。 2022年4月20日、ワルシャワ ) 訂正表 11-20 追加のお願い (11番目と12番目は、リスト提出後に監修者による変更が新たに見つかったものです。この11-20の10点、必ず直さねばな